東証前引け、反落で1万5000円割れ 小型株下落で投資家心理悪化

2013/05/16 11:42 日経速報ニュース 835文字
 16日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前引けは前日比163円8銭(1.08%)安の1万4932円95銭で、前日に回復した1万5000円台を割り込んだ。前場中ごろ過ぎから株価指数先物に売りが続き、日経平均は下げ幅を拡大した。円相場など外部環境に特段の変化がなかったことから、市場では「一部の海外投資家が当面の利益を確定する目的の売りを出したようだ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)との見方が多い。トヨタなど前日に軒並み高となったTOPIXコア30採用の主力株も売りに押される銘柄が目立った。
 日経平均は25日移動平均(前日時点で1万3805円)からの上方かい離が10%近くに達し、短期的な過熱感が強まっていたとの声があった。新興市場銘柄など小型株の下げがきついことも、個人の投資家心理を冷やす一因になったという。
 朝方は買いが優勢で、日経平均は寄り付き直後に1万5155円と取引時間中で2008年1月4日以来の高い水準を付けた。前日の米ダウ工業株30種平均が最高値を連日で更新したことや、1~3月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率3.5%増と市場予想(2.8%増)を上回ったことが好感された。
 東証株価指数(TOPIX)も反落した。
 前引け時点の東証1部の売買代金は概算で2兆2025億円、売買高は28億7887万株。東証1部の値下がり銘柄数は1512、値上がり銘柄数は168、変わらずは31だった。
 前日に決算を発表した三菱UFJ、みずほFG、三井住友FGは、今期の減益見通しを受けて下落した。マツダ、アイフル、野村、ソニー、ソフトバンクが売られ、シャープは朝高後下げに転じた。半面、東電が上昇し、第一生命が今期の増配予想を好感して買いを集めた。住友不など不動産株も値ごろ感の買いで堅調だった。
 東証2部株価指数は続落。M2J、高木、ソディック、朝日インテクが下落した。帝ホテルが高い。〔日経QUICKニュース(NQN)〕