今日の株式、続落か 円安一服で輸出株に売り先行の公算 

2013/04/30 08:00 日経速報ニュース 995文字
 3連休明け30日の東京株式市場で日経平均株価は続落か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸したものの、急ピッチな円安進行が一服しており、自動車や電機など輸出関連の主力株にはいったん当面の利益を確定する売りが出そうだ。日経平均は1万3750円を下値のメドに推移するとの見方が市場では出ている。
 前日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比106ドル高となり3日続伸した。3月の仮契約住宅販売指数が市場予想を上回る伸びとなるなど住宅市況の改善が相場上昇を主導した。欧州株がイタリアの新政権発足により目先の政治リスクが減ったとして上昇したのも米株高を後押しした。もっとも、前週末から今週初にかけて発表となった米経済指標は強弱まちまち。2013年1~3月期の米国内総生産(GDP)や3月の個人消費支出は市場予想を下回った。米景気の先行きに不透明感も残す結果となった。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の日経平均先物6月物の清算値(円建て)は1万3850円で、前週末の大証大引けを100円下回った。朝方の外国為替市場では円相場が1ドル=97円台と前週末の東京市場に比べて円高・ドル安水準にある。期待先行が演出してきた株高と実体経済の乖離(かいり)は上値を抑える要因ともなりそうだ。
 個別では前週末大引け後に今期純利益予想が前期比58%増との見通しを発表したホンダ、14年4~9月期純利益予想を前年同期比39%減としたファナックなどの株価動向が注目される。
 不動産株や銀行株にも関心が集まる。前週末に日銀が発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、ほぼ市場が織り込んでいた範囲内の経済成長率、物価上昇率が盛り込まれた。一方、公表文のなかで「現時点では、資産市場や金融機関行動において過度な強気化を示す動きは観察されない」と明記。「日銀が株式や土地などの資産バブル懸念を否定したことで、過熱感も出ていた不動産株をさらに買う動きも出てきそうだ」との見方も出ていた。
 寄り付き前に3月の鉱工業生産指数、有効求人倍率、完全失業率、家計調査がそれぞれ発表となる。自動車工業会が発表する3月の自動車生産・輸出実績や、国土交通省が発表する3月の住宅着工戸数も材料となる可能性がある。ソフトバンク、村田製、東エレクが2013年3月期決算を発表する。〔日経QUICKニュース