G20声明案「通貨安競わず」再言及 日本を牽制

 【西山明宏=ワシントン、五十嵐大介】18日に開幕する主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がとりまとめる共同声明の原案が明らかになった。原案には、通貨安競争を控えることや、為替を政策の目標にしないことが盛り込まれている。日本を名指しはしていないものの、日本銀行が4日に打ち出した大規模な金融緩和で円安が進んでいることを牽制(けんせい)する内容だ。
 今回のG20でも、最も注目されるのは、円安をもたらしている安倍政権経済政策アベノミクス」だ。特に、日銀が4日に発表した新たな量的緩和で、円安が一層進んでいる。G20加盟国の一部には「通貨安競争が進んでいる」との不満がくすぶっている。
 G20関係者によると、共同声明原案では「金融政策は、国内物価の安定や景気回復のために向けられるべきだ」と盛り込まれているという。金融緩和を通じて「通貨安」を狙うことを禁じる内容で、日本が念頭にあることは明らかだ。