今日から連載のこのコーナーでは、ABCD初級者の方を対象にデッキ構築やプレイングの手引きを行ってまいります。


ある程度アプリケーションやゲームの基本ルールが分かり、カードの説明文を読んでその効果がそこそこ読み取れるくらいの方を対象にしています。
「そもそもルールがわからん」「クリーチャーとかランドスペルとか意味わからんす」という方はゲーム内OfflineBattleに教官がいますのでそちらを利用してゲームの基本的な部分に慣れてみて下さい。


また、筆者がサーバーを立てている場合は遠慮なく入っていただき、ゲームの内容に関する質問をしていただいても結構です。デュエルの有無に関わらず受付していますのでお気軽にどうぞ。


さて、第1回目となる今回から数回は「デッキの組み方」です。
デッキの成り方や仕組みを理解し、自分でデッキを組んだり調整したりしてみましょう。




■テーマ1「5+1の属性たち」


クリスタルを除くほとんどのカードは「炎」や「光」といった属性を持っています。カードを使用するための属性値はほとんどの場合クリスタルから得るので、デッキの中にはあなたが使いたいと思うカードの属性に対応したクリスタルを入れる必要があります。
属性をあまり考慮せず、カードの効果欄だけを見て使いたいカードを片っ端から入れたデッキは多くの場合、意図したように使いこなすことは出来ません。なぜなら多くの属性によって構成されたデッキには様々な種類のクリスタルを入れなければならず、手札にあるカードと一致するクリスタルを引いてこれる可能性が低くなってしまうからです。
ですからまだゲームに慣れない内は、属性を2種類以下、できれば1種類に搾ってデッキを組む事を強くお薦めします。


そこで今回の初級講座では、各属性がどのような傾向を持っているのかを学んでみましょう。全てを覚える必要はありませんが、自分の好みやプレイスタイルに合った属性がどれであるかを考えて見てください。




▼炎属性:不器用な破壊野郎───────────────────────


燃える炎のエレメント炎属性のカードは、その名前から連想されるイメージの通りの攻撃的なものが揃っています。
相手のプレイヤーに直接ダメージを与えるカードや、クリーチャーにダメージを与えて除去するカードなど、「○○に×点にダメージを与える」と記述されたカードが多いのが特徴です。


炎に属するクリーチャーも、その大半が攻撃に適した能力を持っています。その中の一部は「アクティブ状態で場に出る」能力を有し、他の大多数のクリーチャーとは違い召喚されたターンに攻撃を仕掛けることができます。しかし防御面に関しては不安が残り、中には「ブロックに参加できない」とハッキリ書かれているクリーチャーも存在します。



カード例:


火炎弾 -Sorcery [ 4() / 100f ]
対象のクリーチャーに3点のダメージを与える。


炎つぶて -Sorcery [ 3() / 200f ]
対戦相手に2点のダメージを与える。


▲炎お得意の、直接ダメージカードです。



猪の戦闘バギー -Summon [ 4(炎炎) / 450f ] 猪の召喚 Atk=2 , HP=2
アクティブ状態で場に出る。
ブロックに参加できない。


▲炎の代表的なクリーチャー。出たターンに素早く攻撃を開始できますが、相手のクリーチャーをブロックすることができません。攻撃一辺倒の炎らしいカードです。



火炎の鎧 -BattleSpell [ 3() / 0f ]
あなたのメイン戦闘クリーチャーは戦闘終了時まで(+X / +0)の修正を得る。Xはあなたの炎属性値と等しい。


▲攻撃に秀でた炎には「クリーチャーのAtkを上昇させる」という機能を持ったカードもあります。



結晶破壊 -Sorcery [ 4(炎炎炎) / 300f ]
対象のクリスタルを破壊する。


▲相手のクリスタルを破壊し、呪文の使用を妨害するという側面もあります。





▼水属性:妨害工作お手の物。イヤらしさNo.1────────────────────


たゆたう水のエレメント(しつこい)水属性のカードは炎とは打って変わって防御的な役割を持っています。ただし、水の防御は後述の光とは違い正々堂々と相手の攻撃を受け止めるものではなく、「かわす、いなす、やりすごす」といったものです。
相手が唱えている呪文を効果が現れる前に打ち消し「無かった事にする」カードや、そもそも呪文の対象として選ぶことができないクリーチャーなどを含んでいます。飛行能力を持つクリーチャーや、クリーチャーに飛行能力を与えるカードが多いのも水の特徴です。これらのカードは待ち構える相手のクリーチャーの頭上を無視して飛び越え、対戦相手にダイレクトにダメージを与えることができます。


幻惑や撹乱を得意とする水ですが反面展開は遅く、数と速度の暴力には無力という弱点を持ちます。相手の直線的な攻撃をいかに受け止め、自分に有利な試合展開にしていくかが水使いの腕の見せ所と言えるでしょう。


カード例:


対抗呪文 -Sorcery [ 4(水水) / 0f ]
対象の詠唱中呪文を打ち消す。


▲水と言えばコレ。ほぼあらゆるカードを、その詠唱中に阻止することができます。



ステルスの天女 -Summon [ 6(水水) / 400f ] 天使の召喚 Atk=2 , HP=3 飛行
場に出ている場合はソーサリーの対象とならない。


▲飛行能力を持つので、相手のクリーチャーに攻撃の邪魔がされにくいクリーチャーです。またソーサリーの対象として選ぶことが出来ないので、例えば上に書いてある炎の《火炎弾》で倒す事ができず、除去されにくいのが特徴です。



霊魂逆流 -Sorcery [ 3() / 50f ]
対象のクリーチャーをオーナーの手札に戻す。


▲ぱっと見では「クリーチャーを破壊する」カードに劣るように見えますが、自分のクリーチャーを守る用途にも使えます。カードの使用者に柔軟さを求めるのもまた、水のカードの特徴です。





▼風属性:力こそパワー!速さこそスピード!(死──────────────────


風属性のカードはクリーチャーによる肉弾戦を奨励しています。クリーチャーに直接打撃を与えたり除去してしまうような戦い方を望みません。そのため、風にはクリーチャー自身を強化し戦いを有利に進めるためのカードが多く含まれています。風の補助カードによって、クリーチャーの圧倒的な体格差がひっくり返されてしまうことも少なくありません。また「先手」の能力に長け、同格の相手を全くの無傷で倒してしまうような戦い方を得意としています。


カードを引いたり、ライブラリを操作したりするアクションは風の十八番です。カードを引く効果を持つカードや、何かをすると同時にカードを引くようなカードに恵まれています。



カード例:


緊急進化 -BattleSpell [ 3(風風) / 0f ]
あなたのメイン戦闘クリーチャーは戦闘終了時まで(+3 / +3)の修正を得る。

▲風を象徴する1枚。さらに大きな修正を与える【超進化】というカードもあります。



音速猫 -Summon [ 4() / 200f ] 猫の召喚 Atk=2 , HP=1 先手


▲風の基本クリーチャーです。先手のスキルを持ち、HP2以下のクリーチャーが相手であれば一方的に打ち勝ってしまいます。



高速取得 -Sorcery [ 4() / 300f ]
カードを2枚引く。

▲カードを引くのもお手のもの。手札を失い万策尽きた相手を尻目に、新たな戦力を手札に得ることができます。





▼光属性:備えて安心・がっちりガード──────────────────────


光属性の基本姿勢は「防御」です。ごく一部の例外を除き、あなたのHPを回復してくれるカードは光属性にしか存在しません。
ほぼ全てのクリーチャーが高いHPとそこそこ高いAtkを誇り、あなたを敵クリーチャーの脅威から守ってくれます。スキル「復活」をクリーチャーに与える事を得意とし、その守りはさらに強固なものとなります。クリーチャーのAtkを低下させ、攻撃する力を失わせることも可能です。


保守的なカードが多い属性ですが、光にイメージされる神々の威力を体現するカードも存在します。ほぼあらゆるクリーチャーを一撃の下に葬ったり、全てのクリスタルを敵味方問わず破壊しつくしてしまう力も、光の持つ側面です。



カード例:


ヒーリング -Sorcery [ 6(光光) / 50f ]
あなたは5HPを得る。


▲光のカードはHP回復が得意です。生き長らえた時間を使い、強烈な反撃をお見舞いしてやりましょう。



戦意喪失 -Sorcery [ 2() / 500f ]
対象のクリーチャーは(-5 / +0)の修正を得る。


▲Atkを5奪われてなおダメージを与えられるクリーチャーはほとんどいません。ほぼ全てのクリーチャーを事実上無力化してしまいます。



格闘僧 -Summon [ 4(光光) / 400f ] 格闘家の召喚 Atk=2 , HP=3 再生


▲ゲームを始めたばかりでは分からないかも知れませんが、たったMP4でここまでのスペックを誇るクリーチャーはそうそういません。バランスのよいクリーチャーを多く含む、光ならではのカードです。



メンデルの槍 -Sorcery [ 3(光光) / 600f ]
対象のクリーチャーをゲームから取り除く。


▲光は時として強大な力を行使します。ゲームから取り除かれたクリーチャーは、そのゲーム中はあらゆる手段をもってしてもプレイに復帰させることができません。





▼闇属性:暗黒怨念呪殺言語────────────────────────


闇属性は、炎属性と並ぶ攻撃的な属性です。ただし炎属性の直線的で直接的なそれとは違い、敵のクリーチャーを除去してしまったり手札を捨てさせてしまうことを是とします。また陰湿な闇らしく、墓地からクリーチャーを場に甦らせたり相手の生命力を奪って自分のものにするカードも存在します。
クリーチャーのAtkは総じて高く攻撃に向きますが、その代償としてあなたにHPや手札の損失といった「対価」を求めるカードも少なくありません。


とにかくクリーチャーを除去するカードが豊富ですが、逆にクリーチャー以外の場に出ているカードに作用するカードは皆無です。強力な攻撃性の裏に危なっかしい脆弱性を秘めた属性です。



カード例:


即死 -Sorcery [ 4(闇闇) / 300f ]
対象の闇属性でないクリーチャーを完全破壊する。


▲対象のクリーチャーを一発で墓地へ送ってしまいます。ですが自身の眷属である闇の軍勢には通じないという弱点があります。



腐肉熊 -Summon [ 5(闇) / 350f ] 熊の召喚 Atk=4 , HP=2
腐肉熊が場に出たとき、あなたは2HPを失う。


▲MP5でAtk4という素晴らしい攻撃性を持っています。ですがその代償として、召喚時にあなたはHPを失います。



掘り返し -Sorcery [ 3(闇) / 500f ]
あなたの墓地にある詠唱コストが4MP以下の召喚呪文を一枚選択し、場に出す。


▲一度は失ったクリーチャーでも、このようなカードを用いて場に呼び戻すことができます。これは闇の特権です。




▼無属性:「その他」────────────────────────


無属性のカードは、カードのコスト欄に属性を含まないカード全てです。最も重要なクリスタルのカードを始め、クリーチャーやランドスペルなど様々なものがありますが、特にこれといった方向性はありません。
MPさえ足りていればどのデッキでも使うことができるのが最大の特徴です。そのためカード単体の能力は抑えられているか、強力なカードであればその能力を様々なデッキが共有できるように無属性のカードとしてデザインされているかのどちらかです。


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もちろん、ここに挙げたものがその属性の全てではありませんし、カードによっては属性の殻を破ったように方向性の違うカードが含まれています。
ですが今回挙げたものはある程度普遍的な情報として、デッキのコンセプトを決める際に重宝するはずです。


みなさんにも、おぼろげながらこんなデッキを作りたい、あんな戦い方をしてみたい、といった目標が出来るかと思います。そんなとき、この属性の特質を思い出してみて下さい。全てのカードを睨んでうなるよりも、ほんの少しだけ近道ができるかも知れませんよ。