
「ど、どわあぁぁぁぁ!!」
レイは今、大量のハートレスに追われてい る。ドタドタと足音を立てて、一生懸命走っ て逃げている。一体何故このような状況に なったかというと、数時間前に遡る……。
あの後レイは、兎を追って更に奧に進んだ。 その先でハートの女王と呼ばれる一人の女性 が、何か兵士達に話している様子をレイは見 ていた。
『いいかお前達!私のハートを奪った黒い奴 らを探すんだ!』
『はっ!』
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ
兵士達が早速謎の黒い奴らという者達を探し にいった。レイはその話を隠れて聞いてい た。黒い奴らと聞くと、自然にハートレスを 思い浮かべるのはレイだけではないはず。レ イは彼らに見つからないように庭の中を進ん でいき、ついにハートレスを見つけたのだ が…………、
『見つけたぞ!ハートレス!』
だが、ハートレスの数は多かった。ざっと数 えて150体はいる。大きいやつから小さいや つまで沢山。レイはこの時、顔に汗を大量に かいた。そして、
『ニゲロォォォォォ!!』
そうして、今に至るのである……。
「誰か助けてぇーーーっ!!」
流石のレイも、この数には手が出せないの か、ドタドタと逃げている。
「まずい、このままじゃ追い付かれ る……!」
そう感じたレイは逃げるのを止め、キーブ レードを出現させて構えた。大量のハートレ ス達との戦闘が始まる………
「はあぁぁぁ!!」
レイはハートレスをキーブレードで攻撃し、 まずは一体倒した。背後からも数匹襲ってく るが、レイはキーブレードを前に構え、その まま1回転して吹っ飛ばした。それでもまだ ハートレスは沢山いる。
「くっ…………一体幾ついるんだ?」
完全に囲まれているレイ。ラグナロクRDを 使っても良いが、あれは一体に集中して攻撃 する技。この状況で使っても意味がない。
「……………そうだ!一体に集中して攻撃す るのが駄目なら、全体を攻撃すれば良いん だ!」
そして、レイはキーブレードを槍のようにし てハートレスを突き、更に剣の先から竜巻が 発生して近くにいたハートレスも巻き添えを 喰らい、吹っ飛ばされた。これがラグナロク RDに続くレイの必殺技、ストームラッシュ である。
ハートレス達は負けじとレイを集中攻撃する が、ストームラッシュを使われどんどんその 数を減少されていく。
「止めだ!」
レイは高く飛び上がり、なんと空中からス トームラッシュを放ち、ハートレス達を全滅 させた。ストームラッシュによって起こった 竜巻の風に乗り、華麗に着地する。
「………よし。」
ハートレス達を倒し、一安心するレイ。レイ は足元に何かが落ちているのに気が付く。そ れは1つのクリスタルだった………。
「なんだ?このクリスタル?」
レイは足元にあったクリスタルを手にとって 見てみた。それは色などなく、透明なクリス タルにハートのマークが描かれている。とて も不思議な物を感じる。
「………。」
レイが目を閉じて、右手のグローブを外し た。右手の甲には、紫色でロクホウセイの中 に円があり、更にその中にロクホウセイがあ る感じの紋章、ディアスの紋章があった。左 手に持っていたクリスタルの上に紋章のある 右手をかざし、強く念じる。すると紋章が紫 色の光を放ち、レイはこのクリスタルの正体 を把握した。
「そうか、そう言う事だったのか………!」
レイはすぐにハートの女王の居場所に向か う。
「何?私のハートを見つけた?」
ハートの女王が少し疑ったような声で聞く。 レイは強く頷き、裁判用の机に先程のクリス タルを置いた。
「これです。」
「これは………クリスタル?」
「はい。ディアスの力で知りました。」
そこからレイの解説が始まる。レイによる と、このクリスタルは【コールクリスタル】 と呼ばれる物で、大切な物であればあるほ ど、アンチネスやハートレスにそれをこのク リスタルに封印されてしまうという物。つま り、ハートの女王が自分のハートを大切にし ていたので、それをハートレスが狙い、ハー トをコールクリスタルに封印したという事で ある。
「なるほど。それでどうやってその封印を解 くのだ?」
「こうします。」
そう言うとレイはクリスタルに軽く炎の魔 法、ファイアを使い、クリスタルをあぶり始 めた。するとクリスタルが少しずつ氷のよう に溶けていく。
「これは!?」
ハートの女王が驚く。そこでレイはさらに解 説する。
「コールクリスタルの性質は氷と同じです。 なので、炎で少しあぶれば簡単に溶けて、ほ ら………。」
レイがクリスタルのあった場所を指差すと、 そこには女王のハートがしっかりとあった。 レイはそれを手に取り、女王に渡した。
「お前、まさか自分が盗んだくせに、探した と偽って私を騙す気か?」
ハートの女王の疑い癖は相変わらず、ちっと も変わっていない。レイは素直に違うと言い 切った。ハートの女王は半信半疑なのだが、 レイを見逃す事にした。
「ここにはアンチネスは現れなかった か………。」
再び目を閉じて、強く念じた。アンチネスの 居場所をディアスの力で探っているのだろ う。その時だった。突如、レイに聞き覚えの ある少女の声が聞こえた。
お願い…………助けて!
レイはその言葉を聞くと、目を開き、異空の 回廊を開いてキーブレードライドで異空間に 出た。果たして、あの声の正体とは………?