病棟の月曜日の朝の回診は
いつもの回診とは違って
主治医の中の一番上の教授が自分の生徒や担当医 研修医などを連れてゾロゾロとやってくる

本当にゾロゾロと まるで遠足に来ている学生達のようだ


そして一人一人のベッドまでやって来て
教授が今の状態を問診する



俺をここに放り込んだやつだ…



そして一通りの問診を終えたらすぐその場で今後の治療方針や投薬の量や種類を決めていく

そして生徒達や担当医 研修医などに 現場状況の説明や考え方を講義
時にはその場で意見や感想を言わせて議論させたりもする

それが全部患者に聞こえている訳だから
まさにモルモット というか
遠足に来た動物園の檻の中の餌付けされた猿にでもなったような気分だ…


それでも患者達は必死に自分の状況や状態を打ち明け 訴える

それを見つめている冷ややかな学生達の目など気にしてはいられない





自分の番が回ってきた

もちろん自分も同じように必死に訴える


飯が食えない 
吐き気がして気持ち悪い 
胃が重く苦しく動くことも喋ることも困難であること などなど

今まで毎日の回診や看護師に訴えてきたのと同じように

どうせダメでも必死で訴える!







一通り聞いた教授は ひとこと

「もともと胃は弱いほうでしたか?」

「はい」


たったこれだけのやり取りで
立ち上がって後ろの担当医達のほうへ振り返った


「 ××× は半分の量に!もしくは無くてもいい 薬が合ってないじゃないか」






… ん?…


半ばダメ元で訴えた自分の耳を疑った



しばらくして いつもの担当医が自分のベッドに戻ってきた


「今の ×××の薬ですが  量を半分に減らそうと思います もしくは止めても良いかと考えています
このままでは薬が効く前にあなたの身体のほうが 滅入ってしまう…」





え?!なんや 解ってもらえたんや!!



その日を境に 薬を減らし 
しばらくして止めることになり みるみる元気が戻ってきた


その様子をつぶさに そして慎重に丁寧に担当医達は診ていた





なんのことはない
ものすごく俺のことを真剣に診てくれてたんや!…




いろんなわだかまりが一挙に崩壊した