今、日本のエネルギー政策、特に原子力政策は、高速増殖炉ができない、そしてプルトニウムがどんどん溜まってしまう、このプルトニウムを消費するためのプルサーマル計画で、さらにまた何兆円のお金をかけようとしています。
私は、ウランを原子力発電所で燃やして出て来る使用済み核燃料、ここで一度線を引いて、使用済み核燃料を中間貯蔵、つまりしばらく使用済み核燃料の状態で
持っているということにすべきだと思います。そして2050年、本当に高速増殖炉が実用化されるのか、それを見極めて、本当に実用化されるならプルトニウ
ムを取り出して高速増殖炉で燃やす、そういう道を歩めばいいと思います。しかし高速増殖炉が何らかの理由で実用化されないならば、プルトニウムを取り出さ
ず、使用済み核燃料のまま持っているべきです。
原子力発電所でウランを燃やせば、使用済み核燃料、あるいは高レベル放射性廃棄物、どちらかの形の核のゴミが必ず出ます。両方とも非常に強い放射能 を持った物質です。地下数百メートルの所に100年、200年、きちんと埋めて管理をする、そしてその後、人間社会から完全に切り離す、地層処分という処 分をしなければなりません。
残念ながら今、日本の国の中で、使用済み核燃料であっても高レベル放射性廃棄物であっても、この核のゴミを処分する場所は見つかっていません。ウランを原子力発電所で燃やす、そういう電力の取り出し方をする以上、核のゴミはどんどん増えていきます。
私たちは核のゴミをどう処分するのか、あるいは高速増殖炉を本当に実現するのか、溜まってしまったプルトニウムをどう処理するのか――こうした問題を解決しなければなりません。
今の日本の原子力政策は間違っています。
私は、使用済み核燃料の状況で中間貯蔵をして、高速増殖炉が本当にできるのかどうか、そこを見極めた上で再処理をするかどうかを決めるべきだと思います。http://www.taro.org/movie/2009/08/genshiryokuhatsuden.php