伊田信光 幸福実現党シニア局長 オフィシャルブログから転載

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140614/plt1406141512001-n1.htm
6月14日のMSN産経ニュースで,尖閣問題を長年研究してきた米国のアジア政策専門家のラリー・ニクシュ氏が、日本政府が、尖閣列島の領有問題を国際司法裁判所(ICJ)に提訴すべきだという提案をしたことを知りました。彼は米議会調査局のアジア専門官を長年務め、いまはワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員です。
彼は尖閣問題で日本の主張の正当性を暗に認めてきた研究者ですが、中国の尖閣領域への浸透が軍事衝突を招く危険が日に日に増している現状を見て、日本のICJ提訴がそんな情勢を一気に変えうる機会となり得るとして提案し、日本にとっての利点を6項目あげています。
第1には、提訴表明は尖閣問題での米国全般、とくにオバマ政権の対日支援を強化することになる。国際紛争の平和的解決はオバマ大統領の主要政策であり、日本の国際機関裁定の求めはそれに合致する。
第2は中国がICJ裁定を拒むことは確実で、その結果、国際社会での中国非難がさらに高まる。日本提訴の拒否は中国が歴史を利用してグローバルに展開する反日プロパガンダの効果をも大幅に減殺する。
第3に、提訴は中国の日本に対する軍事力行使の抑止を増大させる。裁定拒否により外交的に孤立する中国が軍事手段に走った場合の米国や欧州、東南アジアの反発は大幅に強くなるという見通しが、中国の軍事行動にブレーキをかける。
第4には、日本自身の尖閣防衛のための軍事力増強をより容易にする。中国が国際調停を拒んで軍事攻勢の姿勢を強めれば、日本の国内でも米国でも日本の防衛力強化への支持が増す。
第5には、東南アジア諸国、とくにフィリピンとの対中連帯を強化できる。フィリピンの提訴に対し国際海洋法裁判所は第三国の意見を求めており、日本がこの役割を果たせる。他の東南アジア諸国との海洋協力や戦略提携も容易になる。
第6には、提訴は日本の法律面での対外姿勢に整合性をもたらす。日本政府は竹島問題ではICJの裁定を求める構えを示したが、韓国側が拒んでいる。尖閣では国際裁定を拒否する日本のいまの政策は一貫性に欠けるという指摘もある。
以上の提案をするニクシュ氏は、日本が尖閣問題で中国の激しいプロパガンダ攻勢に押され、後退していると警告しています。そのうえで、日本にもプロパガンダ性を有し、相手の弱点を突く抜け目なさや厚顔さを含む「スマート(賢明)外交」の開始を提唱しているのです。
確かに、集団的自衛権の解釈改憲が閣議決定した後は、中国から避難、中傷、罵詈雑言は激しくなるでしょうし、それに反発、挑発する行動も激しさを増すでしょうから、今がタイミングかもしれません。
日本政府が、尖閣列島の領有問題を国際司法裁判所(ICJ)に提訴すべきだというラリー・ニクシュ氏の提案に大賛成です。
以上