少し前の話になりますが、私あばれるは、東南アジアはマレーシアに向かいました。

出発日は日本が銀世界に包まれるクリスマス目前でした。
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目指したスポットは、気温30度近い恐怖の人類未踏熱帯雨林。

何度も言いますが冬の日本とは、正反対であります。

情報解禁まであまり詳しいことは言えないのですが、とあるものを探して進む進む歩く歩く。

皆さんの周りに雪がしんしんと降る頃、

私は汗をだくだくと流し、

ホワイトクリスマスのネオンに

「わあ!!」

と感嘆の声が溢れる頃、

ヒルだらけの森で男たちの、

「ゼエ……。ゼエッ。ゴボッ。」

という息切れ咳き込みに囲まれてひたすら道無き道を邁進していたのであります。
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(ここはほんの入り口)


我々クルーのメンバーは、

僕、

カメラマンさん、

ディレクターさん(2人)、

そしてマレーシアを知り尽くした

「気持ち悪い見た目の生き物などの専門家」の浅間先生の五人。


不思議と辛い思いをすると人間は、一体感が高まるもの。

我々には、チームワークの光が雨上がりの虹のようにかかっていたのであります。

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(手前にいる方が浅間先生。)



「どうですか?ここで一休み?」




70近くでありながら年齢を感じさせない体力を持つ浅間先生の鶴の一声。



まさにベストタイミングの休息。




我々は、車座になり各々、水分補給や靴紐を結びなおしたりと和やかな雰囲気に包まれたその時でした。



「イノシシだ!!」




僕は思わず大きな声を上げてしまいました。


何と、五人の数メートル先に、巨大なイノシシが姿を現したのです。



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「しっ!!静かに!静かにしていれば大丈夫。」

マレーシアを知り尽くしている先生は、焦るクルーを静止します。

しかし万が一、こちらに突進してくれば大怪我は免れない。

緊迫感は極限まで高まります。
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動向を固唾を飲んで見守っていること15分ほどでしょうか。


巨大イノシシは我々にゆっくりと背を向けたのです。




(よかった。。。助かった。。よかった。)




安堵の表情を浮かべるクルー。






次の瞬間。




「ブビィッ!!!ブブブボボッ!!スププスプッ!!!プスッ!!!」
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そうです。






巨大イノシシは、




我々の眼前で、




『ウンコ』をしたのであります。

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紛れも無い思いっきりの「ウンコ」です。




言葉は出さず目をそらす疲れ切ったクルー4人。



目を見開き、イノシシのウンコに興味を示す浅間先生1人。




日付を確認すると、日本時間は丁度クリスマス真っ只中でした。




イノシシの放屁は、クリスマスソングとして私たちの耳に残ることになりました。




出発の準備を整える私たちに、イノシシがこう言った気がしました。




「メリークソシマス。」




イノシシサンタからのプレゼント。




そして、我々はまた未開の地に歩を進めるのでした。