Funeral Wreath -350ページ目

【Tie】2

*ブレイク×シャロン(シャロン目線)

1 の続き










貴方と話していないと、




どうしてこんなにも時が経つのが遅いのでしょうね






Tie】2






「ブレイク」


先程から幾度も囁き繰り返す言葉に反応は、無い。

『生きている』。それだけが確かな事だった。

「・・・どうして・・・・・・・っ!」


どうして目を覚まさないのか。

どうして返事をしないのか。


ベッドの傍らに椅子を置き、もう何時間もその顔を見つめている。

彼の顔はしごく穏やかだ。

「なんて顔をしているのです・・・」

そんな顔をしてないで、早く起きてやる事やってからにしなさいと

叱りつけてやりたかった。だが言葉にした所で今の彼には届かない。

ブレイクの手を取り自分の小さな手で包む。

(――温かい)

この小さな手では収まらない大きな手。

いくら身体が細くても、やはり男性の手は大きい。一体今まで

何度この手に支えられてきたかと唐突に想いを巡らせた。

騎士や使用人といった肩書なんて抜きにしても

この男は自分に優しく、大切にしてくれていた。

それが逆に苦しくてもどかしく感じる事もあるがやはりそれは嬉しい事で。

「・・・今度は、私の番ですわね」

少しだけ微笑んでみた。

少しは前向きになれるだろうかと。

だがそれは効を奏さなかった。胸が熱くなり、喉がひりひりしだす。

鼻の奥がつんとして目頭が熱くなった。

「・・・・・・・ッ、・・・」

きっと自分は今酷い顔をしているに違いない。

唇が震えて、開いたり閉じたりを繰り返す。

――叫んでしまいたかった。
だが今はまだダメだ。

彼が目を覚まして、その目に自分を映してくれるまでは。

そうしたら思いっきり文句をぶつけてやるのだ。


白い髪がブレイクの目蓋にかかっていた。

右の目蓋の裏には綺麗な紅い瞳が眠っている。
握っていた手をそっとシーツの上に降ろしかかった髪を除けた。

「・・・帰る道でも見失ったのですか・・・」

静かに呟くその声は震えていた。

「そんなもの、すぐ目の前に・・・あるのですよ・・・?」


だから


「だから、・・・早く帰ってきて・・・ザクス兄さん・・・・・ッ」



零れた涙が一滴、シーツに溶け消えていった。







Tie】―End―








帰って来た貴方のその瞳に、


私はちゃんと笑顔を映せていますか?








Tie=絆