Funeral Wreath -159ページ目

【手記】

*オズ×ギルバート

*オズのモノローグ的な何か


知りたい?



記】



He exceeds time, it meets him, I exceed time, and it meets him.
What do you call without calling this a miracle?
The god might surely bind us indefinitely.

I will keep surely afflicting you to you who becomes it as for the beloved.


文字を列ねたノートを閉じる。

この世界へ戻って来てからもう随分と時間が経ったような気がしていた。

一息つくとコンコンと軽いノック音がして返事をする。

すると長身で黒髪の男が入ってきた。

「ギル、どうかした?」

「そろそろ紅茶でも淹れようかと思ってな」

「今休憩しようと思ったとこ。ありがとギル」

会話をしながらさり気無くノートを引き出しに仕舞う。

見られて不味いものではないが、彼の性格上厄介な事になりそうだった。

運ばれてきた紅茶を口に含み飲み干す。

食道の中を通る温もりが、じんわりと心地よく身体に浸透していった。

「疲れたか?」

「うん、ちょっと横になろうかな」

ぼすんと身体を受け止めたベッドは柔らかく眠気を誘う。

一つ息を吐き出し仰向けになる自分を、傍らに立った彼が気遣うように覗いてくる。

その瞳へ口元に微笑を湛えながら見つめ返した。


Is he thinking of him as his desire of him?
Holding in high esteem?Friendship?Affection?
All differs. It is affection of love that I wants.


手を伸ばして指先で襟を引く。

誘う様な仕草と視線に彼が身を固くさせた事が分かった。

戸惑い視線を泳がせるそれがもどかしく、今度は容赦なくその長身を引き倒した。

「―――痛ッ!」

それはこっちのセリフだとばかりにベッドが軋む。
反転させた身体を羽交い締めにし呻く彼の耳元で甘く囁いた。


『Will you give all of you to me?』


表情は見えないがみるみる内に真っ赤になる首元。

もう大人の癖になんて初心なんだと心の中で苦笑しながら手を離した。

「あはは!冗談だよ冗談」

「な・・・!からかうなっ」

「うんうん。ごめんね?」

顔を赤く染めたまま、捲し立て様とする彼を制してその手の甲にキスをする。

自分も懲りないなと思いながら目まぐるしく顔色を変える様子を楽しげに見つめた。


まだ顔の赤みも引かぬ内に部屋を去る彼の背に笑顔で送り出す。

彼の性格上アレには望みが有るとも無いとも言い難かった。

自分に寄り添う彼は本当に自分を見ているのだろうか。追いかけているのだろうか。

もし彼が『あの人』を追っているのだとしたら?

自分の様な単なる巡り合わせではなく確かに共存していた『彼』に適う筈はない。

きっと彼は曖昧な境界でゆらゆらと彷徨っている。

大切な存在が近くに居るのに、目の前に居るのに分からないのだ。

いや。本当は知りたくないのかもしれない。

もし知ってしまったら?もしそれが望んだ形でなかったならば?

自分は何処まで耐えられるか分からない。


I am weaker than he.
I am more fragile than he.

Above all, I resemble him closely.


再びベッドに倒れ込み天井を見上げた。

もしも彼が無意識下で自分の中に居る『誰か』を望むのなら。




『It only has to be able to disappear from this world…』




記】―End―




彼が時間を越えて自分に逢い、自分が時間を越えて彼に逢う。

此れを奇跡と呼ばずに何と呼ぶ?

きっと神様はいつまでも僕等を縛るつもりなのだ。

最愛なる貴方へ。私はきっと貴方を苦しめ続けてしまうでしょう。


自分が彼を想うように彼は自分を想ってくれるのだろうか。

敬愛?友愛?親愛?どれも違う。私が欲しいのは恋愛の情なのだ。


私は「彼」より弱い。
私は「彼」より脆い。
そして何よりも、私は「彼」に酷似している。


ならばいっそこの世界から消えてしまえたらいいのに。