何年も前から言われていることですが、現代は“呼吸器・循環器”の時代です・・・
どういうことかと言うと、現代人のからだは呼吸器・循環器にまで負担が及んでしまい、
呼吸器・循環器を何とかしないと真の意味で元気なからだにはならないということです。
もう少し正確に言うと、胸椎3・4・5番の働きが鈍っている人が非常に多い。
主な働きとしては、3番が肺、4番が心臓、5番が体温調節となります。
つまり、心肺機能と体温ですから、人間の免疫力=生命力に関わるところです。
その機能が低下してきている訳ですから、これは大変なことです。
もうこの3つの骨だけで、昨今急増している病気や体調不良をほとんど説明できるほどです。
3番の肺の弱りは、すぐさま腎臓の弱りにつながっているので、
体力のないからだといえるでしょう。
腎臓が弱ると、顔や足がむくみ易くなります。
肺という呼吸器の弱りによって、呼吸している皮膚にもアトピーなどの問題が出やすくなります。
近年のアトピーの増加と無縁ではない筈です。
4番の心臓の弱りは、循環器系統の滞りですから、
一番にいえることは冷えです。からだの冷えている人が大変多いですね。
冷えが女性に急増している子宮関連の病気に大きく関与していることは間違いないでしょう。
力学的に考察してみても、胸椎3・4・5番と腰椎3・4・5番は密接に連動しているので、
婦人科系の急所である腰椎4番に影響を及ぼし易いでしょう。
もちろん逆もあります。
ガンを発症する人にも、この循環器系の滞りが大きく影響します。
肩でいえば、心臓の血液循環が悪いと、肩関節内に石灰が沈着しやすくなり、
いわゆる四十肩・五十肩を起こします。
それから、5番の体温調節機能の低下は、いうまでもなく四季を通して冷えを感じるからだになります。
低体温とも関わりが深いでしょうね・・・低体温は即ち免疫力の低下です。
5番の機能低下の原因は、3・4番から連動しているケースの他に、
胃と関わりの深い6番の影響を受けていることが多いです。
それは、つまり過食によって6番に負担がかかっているのです。
それから、見逃してはならないのが、汗をあまりかかない生活です・・・
汗は体温調節と大きく関わっているので、汗の出が悪いと5番に影響してくる訳です。
3・4番の機能低下は、すなわち深い呼吸ができない、血液が充分行き渡らないということなので、
脳の酸欠状態を起こします・・・こうなると深い眠りを得ることが出来ません。
昨今の不眠症に悩む人の増加と無関係ではないでしょう。
脳の酸欠は鬱とも関係しています・・・鬱の人はたいてい眠れないのです。
充分な睡眠をとれるようになると鬱も軽減する様です。
そして、胸椎3・4・5番の動きの悪さは、これらの骨が肩甲骨の間に位置していることから、肩甲骨の動きの悪さと関係しています。
当然肩の可動も悪くなり、年中肩凝りだったりする訳です。
その影響は首と頭に波及することが多いですね。
このように3・4・5番の働きが悪いというだけで、免疫力はかなり低下してしまいますが、
こういう人の肋間(特に脇の下)はたいてい硬直を起こしています。
リンパ節が密集している脇の下の肋間・・・
ここが硬直するとリンパ液の流れが滞り、免疫力が低下します。
ガンを発症する人は必ずといっていいほど、この部分が硬直を起こしているものです。
肋間の硬直によるリンパ液の滞り=免疫力の低下は、甲状腺機能の低下をも
生み出してしまいます。
検査法や治療法が日々進化しているのはいい事なんでしょうが、
やはり未病に力を注ぐべきだと思います。
以上のような訳で、呼吸器・循環器を活性化できる体操やリンパを活性化できる体操を
指導していますが、もっと広まって欲しいですね
よく体操などをやり込んでからだが高まってくると(あるいは施術後に)、
風邪をひくことがありますが、これはとてもいいことです・・・
硬直したからだが緩んできた証拠です。
普段からせっかく風邪をひいても薬で止めてしまうのは問題ですが、
もっとやっかいなのは、風邪を“ひけない”からだになることです。
大病する前のからだは、この風邪という浄化機能すら働かなくなるので、
大病というかたちで大きく壊れる訳です。
やっと風邪をひけるようになったら、決して薬で止めてはいけません。
発熱はからだを緩め、ガン細胞や古い細胞を一掃してくれるからです。