陸自が89式小銃の後継として、豊和工業が開発した新小銃「HOWA 5.56」を採用することを決定した。その他にSCARやHK416など海外の小銃と比較検討した結果国産を採用することとしたようである。

 

しかし、新小銃の調達についてはいくつかの懸念点がある。

 

まず調達・配備のペースである。新小銃15万セットを今後30年程度かけて調達するという点。現行の89式小銃も調達開始から30年もかけてようやく64式小銃を更新した。しかし、全部隊に89式小銃が行きわたるのに30年もかかるというのは異常である。海外であればもっと早い。

 

具体的に何年以内に89式小銃を更新するという目標を設定したうえで調達し、早期に戦力化を図るべきであるし、その方が調達単価も下がる。

 

また、今このタイミングで5.56mm弾を使用する小銃を採用していいのかという点も疑問。実のところ、5.56mm弾は威力が不足しているという指摘があり、アメリカ軍では6.8mm弾を今後採用することを検討している。

 

つまり、HOWA5.56が各部隊に行きわたる頃には5.56mm弾は時代の趨勢から取り残されている可能性があるのだ。その点を考慮すると、新小銃の採用決定のタイミングは適切とは言えないかもしれない。

 

いずれにしても30年かけるような調達・配備計画は見直したほうがいいだろう。