日本政府が鳴り物入りで導入を決めたイージス・アショアは本当に日本の防衛のためなのか。

 

北朝鮮の弾道ミサイルの脅威への対処を名目に、政府のトップダウンで陸自に運用を押し付けた印象が強いが導入の真の目的は何か。

 

イージス・アショアは自衛隊の制服組から導入の提言があった訳ではないことに留意すべきだ。政府からのトップダウンで導入を進めた点に政治的意図を感じる。

 

まず、配備予定地が秋田県と山口県である。これはアメリカの専門家からの提言もあり、この2か所になったようである。秋田県は北朝鮮からハワイに向けて発射された弾道ミサイルの迎撃に適している。そして山口県は同じくグアムに向かう弾道ミサイルの迎撃に適していると言われている。

 

そうなると、アメリカ側からの提言で秋田県と山口県に配備されることになったのも頷ける。

 

日本のイージス・アショアで配備する迎撃ミサイルSM-3ブロックⅡAはそれぞれ24発、2か所で48発である。北朝鮮が対日攻撃用に配備しているノドンやスカッドCは300発以上あると言われており、とても日本全土を守るには迎撃ミサイルの数が足りない。

 

だが、グアム攻撃用のムスダンの配備数は50発程度と言われている。グアムにはTHAADも配備されているし、米海軍のイージス艦もある。山口に配備する日本のイージス・アショアからの迎撃も含めればかなりの確率でムスダンを迎撃可能だ。

 

そう考えると、やはりイージス・アショア導入の真意は、アメリカ防衛用なのではと疑いたくなる。アメリカ防衛のために、日本が費用と人員を負担するという図式だ。

 

日本防衛を名目にし、莫大な税金を費やして導入して防衛予算と陸自の人員を圧迫するが、結局はアメリカの防衛に利用されるとは皮肉である。