| 演目はシェイクスピアの「ハムレット」。古今東西で繰り返し演じられ、演劇ファンなら一度はどこかで観たことのある作品である。目の肥えた観客なら、当然厳しい批評をするはずだ。 蜷川幸雄は、ある一つの仕掛けによって、芝居のハードルを極限まで上げた。彼の厳しい演出はよく知られているが、平均年齢25歳の若者たちによる「さいたまネクスト・シアター」であそこまでやるとは…。言葉を失った。 その仕掛けについて言及する。ハムレットとオフィーリアが語り合う見せ場を打ち破るようにサイドの壁が開き、着物姿の「こまどり姉妹」が登場。人生の悲哀を込めた演歌を歌いながら、舞台上を一周するわけだ。さきほどまでのロマンチックな雰囲気は一転、客席が唖然としているうちに彼女たちは去る。 若い役者にとっては、なかなかの試練である。ハムレットとオフィーリアは、必死に空気を戻そうとしていたが、難しかった。何となくフワフワとした雰囲気が会場を包んでいた。 |