ヨルダンのサッカー話 | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

今度のアジアカップでもヨルダンは日本と引き分け、前々回中国での2004年大会の準々決勝で演じられた死闘を思い出した人も多かったのではないでしょうか。

さて、ヨルダンをはじめアラブでは、サッカーが一番人気のスポーツ。アラビア語では
كدة القدمと書き、クラテルカダムと読みます。
球を意味する كدة クラ に、足を意味するقدمが後ろから修飾している言葉で、つまり「足球」
修飾語には冠詞のالアルをつけますので、「「クラット アル カダム = クラテルカダム」となるわけです。
ちなみに2番人気のスポーツは、私が見る限りバスケットボールで、こちらはカゴを意味する
سلة サッラを使ってكرة السلة クラテルサッラ 「籠球」です。

西アジアサッカー連盟の会長はヨルダンのアリ・ビン・アルフセイン王子
さて、ヨルダンのサッカーなのですが、アマチュアではあるものの、ちゃんと国内リーグもあって、わりと盛んです。というのも、西アジアサッカー連盟WAFFは、2001年の結成以来ずっと会長をヨルダンの前国王フセインの子息アリ王子が務めているんですね。WAFFの公式HPにも、会長自身のHPのバナーが出ています。ちなみに、ヨルダンの公人は、ほぼすべて自身の公式HPを開設しています。アブドゥッラー国王のHPや、世界で一番若い王妃(今は違うかも)で有名なラーニア王妃のHPもあります。

アンマンのサッカー競技場
アーディで行こう
話が横道にそれましたが、アンマンにはサッカー競技場が2カ所もあります。一つは、
مدينة رياضية マディーナ・リヤディーヤ(Sports city)
と呼ばれる運動公園にあるスタジアム。ここは正式には
مدينة الحسين للشبابマディーナットルフセイン・アッシャバーブという名称で、ゲートにもアラビア語でそう表示されていますが、一般的にはマディーナ・リヤディーヤで通じます。スタジアム以外にも、陸上競技場やプール、格技場(ヨルダンには柔道連盟もある)まである総合運動公園になっています。日本の国立競技場に相当する施設です。

もう一つが、アンマン南部、ワヒダットのはずれにある、
مدينة الملك عبدالله الثاني بن الحسين الرياضية マディーナット・マリク・アブドゥッラー・サーニー・ビン・アルフセイン・マルマディーナ
つまり現国王のアブドゥッラーの名を冠したスタジアムです。ここには、スタジアム以外は、小さな室内競技場があるだけらしいのですが、私は室内の方は見たことがありませんので、よくわかりません(友人が指導するバスケチームはここで試合をしたらしいです)
スタジアムの方は、外からでも芝の様子がよく見えます。夕方に通りかかるとワヒダット拠点のチームが練習をしていたりします。

この競技場では、90年代に日本のフル代表とヨルダンの代表が親善試合を行っており、昔読んだ旅行記によると、その試合の時は日本から女性のサポーターも来ていたらしいのですが、まあ、そのころによくこんなワヒダットのはずれまで日本人が来たもんだと思います。治安が悪いわけではないのですが、2005年ころでも外国人がぶらぶら歩く場所ではありませんでした(私は歩いていましたが)。ワヒダットと言えば、ヨルダンではバカアキャンプに次いで2番目に大きなパレスチナ難民キャンプ。競技場のあるところはキャンプではありませんが、主要道路からは非舗装の道路でアクセスし、道路沿いには自動車部品屋が建ち並ぶ雑踏地帯で、なんだかアンマンの近代化から取り残されたような地域でした。

競技場の写真を撮ったはずですが、見当たらないので、代わりにポスターの写真を。
2005年に開催された西アジアサッカー連盟主催の「第1回女子サッカー大会」のポスターです。背景は、たぶんマディーナ・リヤディーヤでしょう。参加国は、ポスターの右側にデフォルメされた国旗とアーディで行こうともに掲載されているとおり、
الاردن ヨルダン
إيران イラン
البحرين バハレーン
سوريا シリア
فلسطين パレスチナ
の5カ国です。
右が大会のシンボルマーク。中東ではこんなふうに国旗をデフォルメするのが大好きです。