ダマスカス市内に昨年あたりに登場したのが、中国・KingLong金竜バス製の市内線タイプの大型バス。あっという間に増殖して、あのどこに走って行くんだかわからないオンボロ大型バスを駆逐しつつあります。
フロントガラス前面には電光掲示板があって、往き先表示はアラビア語ですが、路線番号は大きく数字で出るので、それさえ知っていれば旅行者にも使いやすい。車内が混んでいることも多いですが、あの狭いワゴン形セルビスに比べれば、大きな荷物を持っていても乗りやすい。というわけで、これまでにわかった路線の番号と、わかる限りの走行ルートをご紹介しましょう。
![アーディで行こう-ダマスカス新型バス車内](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/19/25/j/o0300019910536431874.jpg?caw=800)
乗り方は至って簡単。前ドアから乗り、運転手に10SP払うと、ちょっと硬めの切符がもらえます。これを運転席横のオレンジの箱に差し込み、1回「ガチャン」と隅を切りおとして改札終了。あとは車内奥に進み、原則として後ろドアから降ります。ダマスカス市内線の運賃は現在1回5SP。ですので切符はもう1回別のバスで使えます。2回目に乗る際は、反対側の隅を差し込んで切り落とします。写真は車内の様子。ドアステップが低く乗りやすい低床車になっており、後部の床がぐっと高くなっているのがわかります。ポールも老人や色覚障害の人にも見分けやすい黄色と、非常に現代的な車内です。
![アーディで行こう-ダマスカスカラージュソーマリーエ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/aa/1b/j/o0300019910536441487.jpg?caw=800)
![$アーディで行こう-ダマスカスNo15](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/64/ac/j/o0300019910536442587.jpg?caw=800)
![アーディで行こう-ダマスカスNo16](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/66/33/j/o0300019910536431873.jpg?caw=800)
アンマンやベイルートへの国際セルビスや、ボスラ、ダラア、スウェイダー、シャハバ、クネイトラへのバスが出るシリア南部方面へのターミナル、カラージュ・ソーマリーエには、カラージュの入口に市内バス・セルビス乗り場があります。ここからは、主に市内ダマスカス大学近くのバラムケと、シリア内陸部へのバスターミナル、カラージュ・ハラスターへの路線が出ています。
右の写真1枚目はソーマリーエのバス乗り場。左側がカラージュへのゲートです。右側に市内への道路があります。市内線バスは写真のホームから道路に出て、車線の都合で一旦西へ向かってから次のドワール(円形交差点)でUターンして道路の反対側の車線でもういちど客扱いをしてから市内へ向かいます。ですので、道路を渡って停まっているバスに乗る方がやや時間短縮になるのですが、まあたいした違いではありません。
乗りたいバスがわからない時は、中央ホームにある白い小屋にいる係員に聞きましょう。市内線バスについてなら、乗り継ぎも含めてかなり信頼性の高い案内をしてくれます。
No.15
كراج سومريةカラージュ・ソーマリーエ
~جسر الثورةジスル・サウラ
~كراج بولمانカラージュ・ボールマン(ハラスター)
ソーマリーエ発着路線で最も使い勝手が良い路線。ソーマリーエからメッゼ地区を大通りで抜け、シェラトンホテル前のドワール(ウマイヤッド・スクエア)からشارع شكري القوتليシュクリー・アル・クワトリ通りを東進、ヒジャーズ駅~ユーセフ・アズメ広場をつなぐ道路を陸橋で越え、通称ジスル・サウラと呼ばれるマルジェ広場北側の大バス停に停まり、その先カラージュ・ハラスターまで行くという、ダマスカス東西の基幹路線といってもいい系統です。カダム駅に行く以外の旅行者は、まずはこれに乗れば間違いなしといった感じ。
なお、ソーマリーエの係員によれば、ジスル・サウラ~カラージュ・ポールマン間はNo.21も走っているということでした。
No.16(No.26)
![$アーディで行こう-ダマスカスNo26バラムケターミナル](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/1c/0c/j/o0300019910536431877.jpg?caw=800)
~الـبــرامــكةバラムケ
ソーマリーエからメッゼ地区を大通りで抜け、シェラトンホテル手前の立体交差からشارع عمرアマル通りを東進、ダマスカス大学横のバラムケに至る路線。バラムケはかつてアンマンやベイルートへのセルビス・バスターミナルがあったところですが、2007年にソーマリーエに移転した後、今でも跡地は手つかずで囲われたままです。市内バスはその跡地の西側、جسر الرئيسジスル・ライース(大統領橋)から南下した通り沿いにこじんまりと乗り場があります。
係員の聞き込みでは、No.26も始終点は同じということです。右の写真はバラムケで発車を待つNo.26ソーマリーエ行き。
كراج بولمان カラージュ・ボールマン(ハラスター)発着便
カラージュ・ボールマンでは、シリア各地からバスから乗客が下車するところに、バス&セルビスターミナルがあります。そこから中心部行きのワゴン型セルビスに乗るのが定番でしたが、この大型バスの登場で選択肢が増え、大きな荷物を持っての移動もしやすくなりました。
マルジェ広場付近のホテル街へは、上記No.15とNo.21が便利です。マルジェだけだとあまり通じないので、「ジスル・サウラ?」と聞いて乗り込むといいでしょう。
![$アーディで行こう-ダマスカスNo35](https://stat.ameba.jp/user_images/20100511/09/aadydeiko/04/17/j/o0300019910536431875.jpg?caw=800)
كراج بولمانカラージュ・ボールマン(ハラスター)
~باب ترماトーマス門
~باب شرقي東門
~ساحة باب مصلىバーブ・モサッラ広場(交差点)
~دوار الحنوبドワール・ジャヌーブ
カラージュ・ハラスターから旧市街の東側キリスト教徒地区や、旧市街南側に直行するのに便利なバスです。聞き取りによると、始発はハラスターよりさらに東側にあるそうです。また終点のドワール・ジャヌーブなる交差点は私にはどこのことか分かりません。
ハラスターからアッバースィーン交差点を通って、一旦トーマス門に寄った後、旧市街の東側~南側を伝ってバーブ・モサッラを越え、バラムケから南下してきたヨルダン国境街道(道路の中央に鉄道用のアンダーパスがある大通り)に出ると一旦南下、南環状線に入って次の立体交差からまた北進し、شارع ١٧ نيسان サバターシュ・ニサーン通りを西に進んでメッゼ大通りに入るというところは、乗車しましたので把握しています。写真はパウロが夜陰にまぎれて脱出したバーブ・キサーン(かつての東門)前を通るNo.35。この系統はかなり頻発していますが、利用者も多く混んでいます。
その2 に続く