ヨルダン・シリア春の服装コレクションー4〜5月編 | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

ご好評をいただいた「ヨルダン冬の服装コレクションー11~2月編」に続いて、3月下旬からゴールデンウィークまでの服装コレクションです。季節の良いこの季節によく出かけていたシリアも含めての拡大版でお送りします。

アーディで行こう-3月末アンマン3月下旬~4月初旬のヨルダン
ヨルダンでは気候が安定し、それまでに降った雨のおかげで緑が美しい旅行のベストシーズンです。
右の写真はアンマンのダウンタウン、アルフセインモスクで毎週金曜日の昼に行われる金曜礼拝のようすです。このモスクは建物が小さいので、このようにモスク前の大通りを通行止めにしないと来た人がすべて礼拝できません。金曜昼には1時間くらいこのタラール通りにはバスが通れませんので、ご注意を。
ここに集まる人はほとんどが商店主などダウンタウンで働く人達です。床に敷く礼拝用の絨毯は自分で持ってきます。絨毯を持っていない人のために、子どもが段ボールを有料で貸しています。
この写真は3月最終週末のようす。みんなまだジャケットを着ていたり、ウールのベストを着込んでいたりしますね。でもヨルダン人は基本的に極力体を動かさないで生活するのでこれでいいんですが、旅行者だと昼にこの服装は暑過ぎます。夜ならぴったりですが。

なお、通常この3月最終金曜日から夏時間に移行します。時計を1時間早めるのを忘れないように。日本との時差は+7時間から+6時間に変わります。夏時間はタウキィートル・セイフィالتوقيت الصيفيといいますが、サマータイムでも十分通じます。

アーディで行こう-4月上旬ベサニーじゃあこの季節の旅行者はどんな服装がいいかというと、こんな感じでしょうか。薄手のロンTなんかに、フリースを重ね着というところです。この写真はヨルダン渓谷にあるベサニーで時期は4月初旬です。死海にほど近いベサニーでも、これくらいで十分です。ただし、手首や首筋など、露出した肌には必ず日焼け止めを塗りましょう。男性でも。
ベサニーはイエスに洗礼を授けたヨハネが活動をしていたところ。今は観光地になっており、07年版からは歩き方にも掲載されています。対岸はイスラエル(本来はパレスチナ自治区領)。国旗が見えますね。ヨルダン川はこんなに小さな川なので、渡ろうと思えば渡れそうですが、絶対に止めましょう。
なお、ヨルダン川に一般の人がこれほど近づける所は、ここベサニーと、北側のシューネ・シャマーリーヤ西側にある軍事基地での見学コースくらいです。

$アーディで行こう-3月末カナワット3月下旬~4月上旬のシリア
シリアは広いのですが、ダマスカスやその南側、ボスラやスウェイダー、沙漠のパルミラといったあたりの気候はアンマンとほぼ同じと考えて問題ありません。
右の写真はスウェイダー近郊のローマ時代の遺跡カナワットを3月末に訪問したときのもの。Tシャツにわりと厚めの開襟シャツを着て、その上は雨除けのベストです。陽射しはもう強いので、帽子とサングラスは忘れないようにしましょう。

シリア北部、地中海岸からハマやアレッポ、東部のデリゾールあたりでは3月下旬はまだ雨が降ることがあり、そうなると寒いです。写真はアレッポの旧市街にある大モスク、ジャーマア・ハラブ・アルカビールجامع حلب الكبيرです。まだみんな上着を着ていますね。真ん中やや左の黄色いジャンバーの人を中心に3人は、外国人ツーリストです。彼らも上着を着ていますね。左の女性は例のネズミ男パーカーを着させられています。実は、腕や脚の肌が露出していなければ、スークでヒジャーブという布を買い、頭に巻けば外国人でもこのパーカーを着させられることはありません。アレッポやダマスカスのスークはとてもおしゃれなヒジャーブが安く(50~250SP)売っていますので、お試しあれ。店員がその場で巻いてくれます。
このモスク、別名はジャーマア・ザカリーエجامع زكريا。ザカリーエは洗礼者ヨハネの父親で、このモスクに彼の墓があるということになっています。
$アーディで行こう-4月上旬アレッポモスク


アーディで行こう-4月中アズラックアーディで行こう-4月中ジェラシュ
4月中旬のヨルダン
4月中旬ともなると、ヨルダンでは昼はかなり暑くなってきます。陽射しも強いので、写真のように薄い生地の長袖で肌を守りつつ、前をはだけて風通しを良くするといいでしょう。夏でも基本的にこの格好がいちばん肌にはいいです。左欄のプロフィールの写真は8月のワディ・ラム。ほぼ同じですね。首回りも、襟があった方が首筋を陽射しから守れるのでおススメ。丸首はあまりお薦めできません。
この写真は4月中ごろのアズラック湿地帯。遊歩道が整備されています。


右の写真は同じく4月中ごろのジェラシュに来た日本女性たち。ジェラシュは盆地なので風通しが悪く、6月に入るとうだるような暑さになります。ジェラシュ遺跡のなかは基本的に日陰がない最悪の状態なので、夏に行くなら早朝にするなど工夫をしてください。
4月中ごろだとまだまだ過ごしやすく、ヨルダン人もたくさんピクニックに来ています。

この4人はかなりフェミニンな格好をしていますが、みなヨルダン在住者。普段はとんでもない田舎で生活し、アラビー男性のあしらいもうまい強者です(失礼)
旅行者がこういう格好をすると、日本では考えられないくらいの熱視線を感じますので、覚悟が必要です。
帽子や長袖できちんと防備していますね。

アーディで行こう-GWアンマンアーディで行こう-GWペトラ$アーディで行こう-4月末ヤヂューズ4月下旬~5月上旬のヨルダン
日本のゴールデンウィークの頃は、ヨルダンでは最後のピクニックシーズン。日中はかなり暑くなってきます。右の写真は、見学旅行でヒジャーズ鉄道の貸切列車に乗り込む子どもたち。この日は女性限定でのツアーになっていますが、乗り込むまでは他人の目があるので親や先生はまだ頭にヒジャーブを巻き、アラビーコートをきちんと着込んでいます。なお、ヨルダンでは足首から先は見せてもOKなので、サンダルは女性でも一般的。かわいいものが8~15JDあたりで売っています。足先はきれいにペニキュアを塗っています。

右の写真はGW中のペトラ。日中はかなり暑くなるので、薄い長袖が基本です。男性ならディジターシュと呼ばれるアラブ服もおすすめ。というのも、スカート状なので下から風が入り、ジーンズなんかよりずっと気持ちがいいです。ここで着ているディジターシュはオーダーメイドで仕立てたものですが、アンマンなどではサイズが揃っている専門店もあるので、その場で購入できます。生地は綿が一般的。絹はほとんどなく、生地を見立ててオーダーしないとありません。化繊の安物もありますが、肌触りや吸水性に難点があります。オーダーメイドで20JD程度。既製の綿製で10JD程度です。
なお、男性が頭に巻く2色のハッタも、綿製と化繊があり、綿製はさらに生地の厚さで夏物と冬物に分かれます。夏物の綿製で2.5JD。房飾りが付いた高級品の冬物で4~5JDです。赤白がヨルダン、シリア、イラクのベドウィンの色で、最近日本でも流行っている白黒格子のものはパレスチナの色です。

早朝はちょっと寒い
GW中でも、早朝はかなり冷え込みます。写真はアンマン近郊の田舎道。日の出前なのでやたら冷え込んでいました。こういうときは、このように布をマントのように使うのがおススメですね。脱ぎやすく、かさばらないものが一番です。
日が出ると1時間ほどで20度近くまで上がるということを忘れないようにしましょう。

ペトラ遺跡だと、早朝の出発といっても日の出直前くらいでしょうし、歩いているのでそのうち暖かくなってきます。寒いからといってホテルを出る時にあまり着込みすぎると、あとで邪魔でしょうがなくなります。

ワディ・ラムのデザートキャンプ対策
ヨルダンでは、沙漠でも日没後の気温の低下は意外とゆっくりしています。テント内は火にあたることもできるので、真冬の格好をしなくても大丈夫です。フリースでもいいですが、この時期シリアにも行くのであれば、雨も降るかもしれませんし、ワディ・ラムは風が強いことも多いので、ウィンドブレーカーのような、薄い上着がおすすめです。

アーディで行こう-GWベイルートアーディで行こう-GWラタキアアーディで行こう-GWハマ4月下旬~5月上旬のレバノンとシリア北部
シリア北部はもちろん、レバノンの海岸沿いも意外に涼しい気候です。右の写真は4月下旬の週末のベイルート海岸。快晴でいい天気でしたが、意外にも暑いほどには気温が上がらず、みな上着を着ています。ベイルートはヨーロッパナイズされていて、ウォーキングが盛ん。このベイルートの海岸通にも、せっせとウォーキングしている人が多数いて、びっくりです。ヨルダン人には「なんでわざわざ疲れることをするのか」と理解不能に違いありません。隣国といってもいい国同士ですが、考え方はこういう風に違ったりもするのです。
ちなみに、シリア人もダマスっ子はウォーキングしませんが、ハラビー(アレッポ人)は公園などをよく歩いており、ウォーキングというものを理解しています。

右の写真はシリア地中海岸、朝のラタキア駅です。やはりここも朝は涼しく、ロンTの上にフリースでちょうどいいくらいでした。このときは実は列車ではなく、バスで夜明け前のアレッポを出発し、峠越えをしてラタキアについたのですが、アレッポ~ラタキア間は列車の旅の方が楽しいです。写真に写っているのは普通列車の方ですね。普通列車でも3時間くらいで着きます。ただ、列車は朝と夕方しか
走っていません。

右の写真は夜のハマ。
水車で有名なハマですが、実際に水車が回るのは4月下旬から5月中旬までのスプリングフェスティバルの期間中だけです。
それ以外の季節は、水車は全く回りません。あしからず。

ハマはこの水車でもわかるとおり、オロンテス川(アスィ川)に沿った農業地帯なので、夜の冷え込みも緩和されています。GW中なら夜でもこんな感じの服装で十分。
ただ、気をつけてほしいのは、水車から水しぶきが飛び散るのですが、この川の水がかなり汚い。実際この時に、目に入って炎症を起こしましたので注意が必要です。