日本で廃線跡ブーム再来?中央線トンネル | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

中東の旅がメインのこのブログですが、昨日行ったイベントの集まりにびっくりしたので、ちょいとご紹介します。
そのイベントは
「愛岐トンネル群市民開放」
なんのこっちゃ?という人は主催者のNPO法人愛岐トンネル群保存再生委員会のHPをご覧ください。要するに、愛知と岐阜の県境の、春日井市と多治見市の間にある、レンガ造りのトンネル廃墟の見学会ってことです。ここは中央線として明治33年に開通したのですが、昭和41年に電化・複線化をするために別線でトンネルを掘ったため、その後廃墟になっていたんですね。現場は土岐川(愛知県では庄内川)沿いの渓谷で、ときどき対岸の道路から廃線跡を眺めては、行ってみたいなと思っていたところでした。
このNPOではこれまでも春と秋に3度、現地見学会を開催していたのですが、これまでは都合が合わずに行くことができませんで、今回初めて行ってみました。

アーディで行こう-定光寺駅下の行列初めて見た!行列のできる廃線跡
現地は掛け値なしに車を止める場所が全くないので、参加者はJR利用で定光寺駅下車となります。いつもは快速で通過する定光寺駅に降り立つと、駅下の狭い道路に人だかりができているではありませんか? 廃線跡の入口までは川沿いに上流の堰堤まで500mほど歩いていくのですが、駅下からすでに行列が! 案内では「徒歩3分」のところ、堰堤まで1時間半もかかってしまいました。 定光寺にこんなに人が集まったのは初めてでは?

アーディで行こう-ブーツにスカート今回の開放されたのは、3号(76m)、4号(75m)、5号(99m)、6号(333m)の4本のトンネルの間の廃線跡です。3号というのは高蔵寺側から数えて3本目ということで、6号の出口でほぼ定光寺~古虎渓駅の中間地点になります。そこからは折り返して定光寺に戻るルートです(1、2号は定光寺駅から西側、高蔵寺側にあります。)
急な階段を上ると、廃線跡に出ます。参加者は老若男女さまざまで、ブーツにスカートでお子さんの手を引いてといった今まで絶対に廃線跡で見られなかった人もいました。

アーディで行こう-4号トンネル出口
4号トンネル出口(写真上)あたりまでは曇っていましたが、5号入口ではすっきりと晴れだし、川沿いに残る廃線跡を楽しむことができました(写真下)。最近はウォーキングブームですから、イベントだけでなく、いつでも訪問できるようになれば、さらにたくさんの人が来るでしょうね。
アーディで行こう-5号トンネル入口

6号トンネル手前では遅い昼食をとる人達でにぎわっていました。10時から午後3時までの開放でしたが、この日の参加者は私たちが廃線跡に入れた12時の時点で3000人、最終的には5200人だったそうです。廃線跡を訪ねて20年になりますが、こんなに人が集まっている廃線跡、ましてや行列ができる廃線跡なんていうのは、初めて見ました。だいたい今まで廃線跡で同好の士に会ったことがありませんでしたから。北海道の山奥の、森林鉄道跡ならそりゃそうですが。
私が住んでいるところも中山道があるのですが、週末はかならずウォーキングの人を見かけます。廃線跡もウォーキングブームで再度見直されると良いですね。
アーディで行こう-6号トンネル入口


廃線跡のトンネルや橋をもっと知りたい人はこれ! 鉄道レンガ構造物の第一人者がわかりやすく解説しています。
鉄道構造物探見 JTBキャンブックス/小野田 滋

¥1,785
Amazon.co.jp

きれいな廃線跡の写真が載っています。姉妹編で北海道編も出ていたんですが、今は売り切れのようですね。
廃線跡懐想 中部信越編 ヴィークル・グラフィック/宮脇 俊三

¥2,100
Amazon.co.jp