アンマンの夜をそぞろ歩く&夜景を撮る | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

アンマンは丘の町、そして治安がとても良いとくれば、夜遊びがてら夜景を撮りに行くことも楽しい。夜景ポイントをご紹介しましょう。

アシュラフィーエالاشرفيةからの眺め
ダウンタウンを囲む丘でもっとも高いのが南側のアシュラフィーエであることは前回ご紹介しました。ここからは、ダウンタウン西側の写真がきれいに撮影できるところがあります。歩き方にも出ているポイントですね。
アーディで行こう-アシュラフィーエから夜景大
手前にあるのがダウンタウン西側の大きな交差点(交差点名はあまり耳にしたことがないです)、円形のローマ時代のフォルムを模した公園が目印です。その奥でライトアップされているのがアンマン市庁舎بلدية عمان(バラディーエット・アンマン)で、旅行者はあまり行くことがない建物ですね。さきほどの円形フォルムから市庁舎までは公園になっており、散策が楽しめます。そしてその間に見えるハコモノが、日本のODAで建てられている新国立博物館Jordan Musumです。が、5年以上前から建設中で、いまだに完成のメドがたたないという、日本の公共事業もびっくりのスローペースです。下の写真が昼の市庁舎。
アーディで行こう-アンマン市庁舎
市庁舎の裏に半ば隠れて光っているのはアルフセイン文化センターمركز الحسين الثقافيで、アンマンで最大規模のホールを持っており、公的な催しはここで開かれることが多く、在住者はよく耳にする施設ですが、実際にどこにあるのかまわりにも知らない人が多く、いざ行こうとするとタクシーに行き先を告げられなくて困っちゃうというホールです。アラビア語では「マルキズ・アルフセイン・ッサカーフィー」。センターを意味するマルキズが先頭に来るのはお約束ですが、その後ろはアルフセインが先、文化を意味するサカーファは後ろにつけて修飾ですから。お間違いなく。マルキズ・サカーファだけでは通じませんよ。
この辺はラース・アル・アインراس العينと呼ばれています。直訳すると「泉の頭」、つまり水源っていう感じですかね。実はこの谷は、ダウンタウンを東に抜け、隣のザルカ市から北へ向き、ジェラシュの南でこんどは西へ、アンマン市民の水がめキング・タラール・ダムを通ってヨルダン渓谷に流れ込むという長い回り道をするザルカ川がはじめて川らしい姿になる場所ということでその名がつけられているんです。今は川の上に蓋がされ、道路や建物の下にもぐりこんでいますけどね。
ここでも3サークルにそびえたつ巨塔ル・ロイヤル・ホテルが目立ちますね。ほんと、便利なランドマークです。

アーディで行こう-アシュラフィーエからダウンタウン
こんどはほぼ同じ場所(500mくらい離れたところ)から東側に目を転じたところです。すぐ真下にダウンタウンが細長ーくのびています。右側に緑に光る2対の塔がアル・フセイン・モスクالمسجد الحسينيのミナレットです。その上にライトアップされたヘラクレス神殿が見えますね。そしてその奥は、夜が明けるまでライトアップされて存在をアピールする巨大国旗です。

Access
この2つの写真の場所は、白黒モスクとして有名なアシュラフィーエのアブー・ダルウィッシュ・モスクからダウンタウンへと下る道すがらにあります。急な坂道ですが、歩いて下っても楽しいですよ。モスク右手の坂道で裏側に下りはじめ、1つ目のT字路を右、すぐT路にぶつかりますからそこを左、あとはずずーっと下って行くと坂が緩やかになって左カーブするところの右手に車が入れない急傾斜の道がありますので、それを下る。するとぐるっと迂回してきたさっきの車道に再度ぶつかりますが、その辺りです。歩道もあるので安全に夜景を楽しむことができます。そのまま道なりに下ればダウンタウンにたどり着きます。
歩くのが嫌なひとはアブー・ダルウィッシュ・モスク前からセルビスに乗るといいでしょう。2009年6月時点ではモスク前の道路を石畳にする工事中で、モスクより西側で発着しているようでしたが。ただ2系統あって、片方だけがこの坂道を通ります。番号を失念したので、確率1/2でえいやっと行ってらっしゃい!
撮影後は、目の前の坂道をがんがん通るセルビスに乗れば、強制的にダウンタウンに降りますので簡単です。

ジャバル・アンマンجبل عمانをそぞろ歩く
夜の街歩きでもやはり楽しいのはジャバル・アンマンです。ダウンタウン側にはいくつか展望カフェができており、いちばんダウンタウンに近いのがこのベイト・シャキール。旧家を改装しており、古い民具を展示した博物館にもなっています。最上階には写真の展望レストランがありますが、メニューはどこまでもアラビー料理。酒はなく、アルギーレ(水タバコ)をくゆらせながらゆっくり談笑するという、アラブ伝統スタイルでの夜を過ごせます。
アーディで行こう-ベイト・シャキール

このベイト・シャキールの一段上にはかの有名なブックス@カフェがありますが、客層・雰囲気とも全くの好対照。眺望は、ベイト・シャキールの方が低い分迫力はないですが、ダウンタウンの喧噪が手に取るようにわかる近しさが売りです。2006年くらいからちょろちょろオープン準備していましたが、最近ようやく軌道に乗ったようです。まだ客が少ないので、上の段のオールド・ビューといった展望カフェが満席の時でも入れるかも。このブックス@カフェと同じマンゴー通りの入口にあるオールド・ビューも、2005年にオープンしたときはまだまだ客が少なかったですが、いまや超人気店らしいです。眺めは崖側にある分、ブックス@カフェよりいいですからね。酒は出ないですけど。
写真はオールド・ビューの外観です。1階にはランタン・ハウスLantern Houseがあって、変わった形の照明を売っていたんですけど、閉店したんですかね。2009年6月に通ったときはやっている雰囲気がありませんでした。このランタン・ハウス、実は知人の大屋さんがやっていて店であってびっくりだったり、オールド・ビューでアルギっていたら別の知り合いにあったりと、人口250万を誇る割には世間が狭いアンマンです。
アーディで行こう-オールドビュー


マンゴー邸
このマンゴー通りには、ちゃんとした通り名があるのですが、その入口に建つ地元の名士マンゴーさんの旧宅にちなんでこう呼ばれています。
アーディで行こう-マンゴー邸

ブックス@カフェまでの間にはロイヤルフィルムコミッッションがあります。フィルムライブラリーがあるそうですが、開いているのをまだみていません。この建物は1930年建築とわりとあたらしいんですが、かつてはだれも住まず、ぼろぼろになっていました。このあたりはヨルダンハシミテ王国の2代目国王タラールまでは宮殿があった関係で、20世紀前半の瀟洒な邸宅が建ち並んでいますが、2004年頃だと空き家になっているところが多かったです。相続税が払えない、いわゆる「塩漬け」物件だと聞いていましたが、2007年くらいから改装してどんどん公共施設や個人宅に使われるようになって、今のジャバル・アンマンの活気にもつながっているんですね。フィルムコミッションも、2007年まではマンゴー邸の東向いにひっそりとある建物(こっちも邸宅)にあって、そのころから映画の上映会なんかをやっていましたが、いまでもイベントしてるんでしょうかね。
アーディで行こう-ロイヤルフィルムセンター

Access
方向さえ間違わなければダウンタウンから歩ける距離だが、ひたすら登り道。マンゴー通りあたりまで登ると夏なら汗だらだらになってしまう。ダウンタウン発のセルビスNo.2がマンゴー通りを貫通するので便利。クリフホテル裏側の坂道にたむろする白いセルビスがそれで、3サークル西側まで行くため2~3サークルに行く時にも使え、超人気の路線なのであっというまに4人集まって出発する。夜も21時頃までは走っている。一方通行の関係で帰路のダウンタウン行きはブックス@カフェあたりは通らない。

レインボーストリートشارع الرينبو
マンゴー邸からまっすぐ登る坂道が、レインボーストリートです。ここにはレストランやカフェ、石けんやら洋書やらのおしゃれな店が集まっており、そぞろ歩きが実に楽しい通りです。
すぐ右にみえるのがイタリアンのラ・カレ。1階はスポーツバーで、生ビールが飲めます。3階にはベランダにテーブル2つ強引に置いた場所があって、見える角度は狭いですが、アシュラフィーエの丘を望みながら食事ができます。ここはイタリアンながらそれほど高くなく、アラブ風に調理した絶品スペアリブなど、ちょっと変わったメニューがよかったんですが、2009年にはメニューがかなり変わっていました。
アーディで行こう-ラカレ外観
アーディで行こう-ラカレ

その上にあるのがヨルダン・リバー・ファンデーション。きれいなショールームです。詳細はまた別の機会に。
アーディで行こう-ジョルダンリバー

ヨルダン・リバーの前で夏の金曜日に開催されるジャラ・スークسوق جاراは最近旅行者にも認知度が高まりました。2005年の開設以来ずっと見続けている私としても嬉しい限りです。ちなみにジャラとはJabal Amman Residence Associationの頭文字なんですよ。うーん、ということは、私も一時期ジャラ構成員だったのか? まあ、家から歩いて5分のところにこんな楽しい露店が出ているんですから、そりゃあうれしいですよ。 ちなみに、いつもは朝10時くらいから夜9時までの開催ですが、ラマダン中はそんな昼間にやってもだれも来やしないので、みんなが食事を終えて町に繰り出す21時頃から始まり、だいたい3時頃までやっていました。2007年になるとイベントも充実してきて、夜のライブなんかもありました。
アーディで行こう-ジャラスーク
アーディで行こう-ジャラスーク

さらにレインボウストリートを歩くと、2008年から09年にかけて完成した展望カフェ、ジャラ・カフェJara Cafeです。この辺が夜に一番にぎやかな一帯で、なにしろ狭い一方通行ですから渋滞したりしてタクシーもぼったくるという、すごいことになっています。
$アーディで行こう-ジャラカフェ


ジャラ・カフェから先に進むと、左側に6階建ての巨大なビルが見えてきます。前回も紹介したアンマン・ボウリングだったビルで、レーンの傾きを計算して投げるという高等技術を客に強いるボウリング場でした。その後、夏だけ屋上がカフェになって、たまにライブなんかをやっています。
アーディで行こう-アンマンボウリング上

この屋上は周辺で最も高い位置にあるため、360度パノラマが広がります。写真は北東を見たところで、中央のミナレットがアブダリのキンブ・アブドゥッラー・モスク(通称ブルーモスク)、右奥がエアポートリムジンバスの項目でご紹介したシメサニ・ハウジングバンクビル、ケーキみたいな形が特徴です。
アーディで行こう-1サークルからシメサニ

ではまた