過ぎ去った

遠い昔の日々

    

振り返るだけで

幼く無邪気なきみがそこにいる

    

そして きみはもう一度 戻れる

輝いていたあの頃に

    

時を止めて

懐かしいあの頃のまま

    

永遠を信じていたあの日々

でも 移りかわる空のように

    

なにものも

美しいままではいられない

    

でも 思い出だけは 今も

色鮮やかによみがえる

    

沈みゆく太陽が

黄金色の光を残していくように

    

人の一生は

またたく間に過ぎてゆく

    

それでも 計り知れないほどの

悲しみや慈しみに満ちている

    

生あるものはすべて老いていく

美しい輝きはそのままに

    

もしも これが魔法なら

なぜ永遠に続かないのだろう

    

空に輝く

あの太陽のように

    

尽きることのない

詩人の詩のように

    

時を越えた

あの銀河のように

    

    

ふるさとの 山のあけくれ

    

みどりのかどに 立ちぬれて

     

いつまでも われ待ちたまう

     

母はかなしも

     

     

     

     

     

竹久夢二