あの「直子」との夜から数日が過ぎ、ゴールデンウィークを向かえた。俺は親父からメルセデスベンツの「S 65AMG LONG」をかり、早朝6時過ぎに世田谷の自宅を出て待ち合わせの渋谷へ向かっていた。
親父の趣味である、モーツァルトの交響曲第25番が流れていた。確かに、この車にはぴったりだろうと思う。
しかも、車の値段は驚きの3000万クラスだから、親父はさすが数億円プレイヤーだと実感してしまう。
しかし、俺も医者を目指しているということは、将来はこんな車に乗ることになるだろうな・・・
そんなことを考えながら運転をしていた。
自宅から渋谷まで、今の時間帯なら30分もかからない。
俺のまぶたは重く、まだ体も頭も起きていないような感覚でハンドルを握り、三軒茶屋から国道246号線に入り、三宿を抜けて渋谷東急前に着いた。
待ち合わせは7時だったが、6時37分には渋谷に着いていた。すると、聞き覚えの声が車窓の外から耳に入ってきた。
「楽しみだよね~♪」
「何が?」
「だって、拓哉と一緒に24時間過ごせるんだよ♪」
俺は、車を降り声のする方へ体を向けた。
直子「あ~拓哉おはよう!」
静香「拓哉君おはよう♪」
静香は、顔の頬をピンク色に染めていた。静香は、会話を聞かれたかもしれないという表情だった。
俺は、会話など知らないふりをし、耳の後ろをかきながら挨拶を交わした。
拓哉「おはよう!雅哉はおせーな」
俺は腕時計に目を落とし首を捻った。
拓哉「あ!二人は車の免許あんの?」
「俺さ、あんまり運転好きじゃないんだ~・・・」
直子「私免許あるよ!でも、この車左ハンドルだしセダンにしては長いよね?」
拓哉「リアシートはゆったりしてる方が、旅には最適だと思ってさ!」
「それと、リアシートには、マッサージ付きだぜ!超快適だからさ♪」
「でも、この車は俺の趣味じゃないからさ(笑)」
静香「私は免許なんかないよ~・・・移動はいつもタクシーだし・・・」
「親が危ないから、運転はしちゃいけないって言うからさ・・・」
拓哉「静香さ、少しは冒険しろよ~何か発見できるぜ!まあ、発見したから満足や成 功に繋がるわけじゃないけどさ!退屈はしないぜ(笑)」
すると、聞き覚えのクラクションの音が聞こえた。クラクションの音へ目をやると、見覚えあるキャデラックSTS-Vが俺の車の後ろに停まった。
雅哉「お待たせ~時間には間に合いました♪皆さんもう準備OKって感じですか?」
直子「女の子を待たせるもんじゃないよ~雅哉~☆」
雅哉「わりーな!別の女の子も迎えに行ってたんだよ!」
そういえば、残りの女と男のことを聞いてなかったな・・・・
拓哉「雅哉、ところでさ~誰を誘ったんだ?」
雅哉「俺と高校が一緒で、大学も一緒だけど学部が違う友達なんだけどね!」
すると、車から二人の男女が降りてきた。
雅哉「紹介するよ!國分秀忠で秀忠は俺の友達、んで、こっちが霜月レイで秀忠の友 達!」
俺は重かったまぶたが急に軽くなった。「レイ」だ・・・・
「俺のこと覚えてるかな?」
「何でレイがここにいるんだ?」
「どうしよう・・・一緒に旅行♪」
「え、つーか俺の今の髪型や服装・・・香水はどこだっけ・・やベー・・・」
直子「拓哉、何慌ててんの?」
拓哉「いや、別に!缶コーヒー買ってくるから、車見といて!頼むわ!」
どうしよう?俺は、バス停の前の歩道を渡り渋谷駅の構内に向かった。
何でレイがこの旅行に参加するんだ?雅哉の友達と友達だったのか?ん・・・頭がおかしくなりそ
うだ・・
でも、一緒に旅行なんて、マジ俺運いいかも♪あ~・・・ベンツじゃなくBMWとかにしとけば
よかたよ。なんか、趣味悪いとか思われるよな~・・・大学1年で派手なベンツはなしだよな・・・
あ!音楽は一応揃えてきたから車内の雰囲気は大丈夫♪
それから、レイは雅哉の車に乗ってたな・・・
いやいや、ここで話術だね~・・・・雅哉は静香にゾッコンだろ?でも、静香は俺にゾッコンぽい会話してたな・・・・あ~面倒だ・・・
そんなことを考えながら自動販売機でコーヒーを買った。
すると、俺のポケットが振るえだした。
携帯を見ると雅哉からだった「早く戻ってこい!出発するぞ!」ということだった。
俺はコーヒーを片手に、みんながいるところに向かって走った。
これから始まる恋愛地図を広げながら、心の中でスキップしていた♪
ではまた次回・・・・

