怒らない私が、学校で数回激怒した中でも、印象に残っているものが

あります。

 

 ある日、発達障がい学級で男の子が女の子に対して、「お前、絶対に

許さない。」と言って足で蹴りました。(正しくは蹴ったけど当たらなかった)

男の子に理由を聞くと「僕の足を踏んだから。」との事。女の子に確認すると

「ごめんなさい。」と素直に謝りました。(女の子の方が、障がいは重いです。)

 ここで話は終わるはずなのですが、男の子の特性としてこだわりが強いという面が

あり、以前から何度も足を踏まれている怒りを、ここぞとばかりに暴言とともに

足を蹴り蹴りしながら何度もぶつけようとしたのです。

 

 勿論、注意しました。いつものように、注意深く。

私「蹴るのは悪い事。○○ちゃんも謝ったでしょう?」

男の子「今まで何回も踏まれたんだ、絶対許さない!」

男の子の怒りは静まりません。むしろ、自分がずっと被害者だったのに、たった

一回の「ごめんなさい。」で許されるのはおかしい!と、ずっと許さない!

こんな感じのやり取りをしているうちに、私の気持ちが高ぶってしまいました。

涙が自然と流れたのです。「先生は、あなたに悪い事(暴力)をふるう人になって

欲しくないの!」心からの言葉が出ました。

 一瞬男の子はビックリしていました。学校で、先生が泣く?!

そこからです。男の子も泣き出します。「何でなんだよぉ。」

男の子「僕は許さないよ。」

私「先生はあなたが許すまで、ずっと待ってる。」

男の子「じゃぁ、僕だけの先生になってくれよ!」

私「それは無理です。先生は皆のことが好きで、皆の先生だから!」

男の子「じゃぁ、僕のことみてられないじゃんかぁ……」

私「大丈夫、先生はずっとあなたの事、皆の事を見続けるよ。安心して。」

男の子「……分かった。」

 

 この瞬間は今でも私の心に深く刻まれています。

心が通じ合ったこの時以降、男の子との絆は結ばれたのではないかと思います。

大人が子どもの前で泣くなんて、理解できない、考えられないと思われる方も

いると思います。

 

 けれど、人間対人間として考えてください。私は、本気で子どもと接した結果

泣いてしまいました。今では、よい関係を築けています。

結果オーライやんと思われても構いません。私にはこんな接し方しか出来ないの

ですから。本気で接する事しか出来ない不器用な私の忘れられない出来事でした。