西島side





“  きゃー!  ”





2人してクラスに入ると湧き上がる女子達の黄色い歓声 .  




千「 ちょっ ! あんたたちいつの間にそんな関係になってんの! お揃いじゃん  ネックレス ! 」




日「 え 、なんだよ  にっしま 、 遂に…?」

 


西「 うるせぇ日高 !!!」




宇「えへへ、隆弘がくれたの誕プレで」



“ いいでしょ ? ” なんてちょっぴり自慢げに 放心状態の伊藤に見せびらかして .  大事そうに手で掬って微笑む君に 俺はまた 恋に落ちるんだ .




西「… 誕プレであげたんだ」




千「 え! 誕プレ !? やばっ 実彩子よかったじゃん ! 」




伊藤の図太い声で 周りの女子も騒ぎ出す .  




女「 西島くんから誕プレもらいたい〜」



女「ネックレスあげるとか もうカップルじゃん !」




愛「 …ちょっと 西島くん… 私の誕生日 今日なんだけど 」




西「 そうなんだ おめでとう 」



愛「 …… 」




西「 …… 」




愛「…ふんっ




踵を返して行ってしまった大久保を見送る .  誕生日1日違いでこんなに性格が変わるのか なんて やっぱり俺は大久保が苦手だ .




宇「 あ、 千晃 !バイトの件、従兄弟さん大丈夫だって ?」



千「うん 今日お試しで来ていいよって !私もついて行くよ」



宇「ほんと!?よかったぁ 千晃が来てくれるなら安心安心」



日「 あ、もしかして従兄弟って秀太か ?」




千「 そうそう ! 可愛い子なら大歓迎って 」




_________可愛い子? 




_________大歓迎?







西「従兄弟って……?」




千「末吉秀太っていうの!これでもイケメンだから安心しなよ宇野ちゃん!……にっしーは…ゴメン」




西「ゴメンじゃねぇよ!え?どこで働くん?」





千「あんたたちがこの前行った映画館 あと目が怖いよにっしー」




宇「過保護なんだよなあ ~ 隆弘は」




呆れたみたいなポーズしてっけど お前みたいなやつが1番絡まれやすいんだからな …






放課後.  伊藤と実彩子はバイトの見学とやらに行ってしまい 日高と男2人の悲しい帰り道 .



日「お前ほんとに女々しいのな . さっきから一言も喋ってねぇじゃねーか」



西「 末吉秀太ってのが気になるんだよ 」




日「 あー秀太? めっちゃいいやつだぞあいつ 」




西「 なんで知ってんの 」




日「 諸事情 」




西「 …… 」




日「 …… 」




気になる… やっぱり強引にでも 俺がいるカフェでバイトさせるべきだったかもしれない なんて今更すぎた .




知らない男と実彩子の 未来図が嫌でも頭に浮かんできて ただひたすらに嫌悪感 .




西「 …… 」




日「 まあ ? あのヘタレでアホで不器用なお前が ? 誕プレを渡せたことは 褒めてやるからよ 」




西「 別に 関係進んでねえし 」




日「 ったく拗ねんなよ ほら ジュース奢ってやっから 」




西「 いちごみるく … 」




日「 女かよ っ 」