西島side
西「わかってるって……」
日高がやっと俺の肩を離した. “言ったな?”なんて唇をニヤリとあげて.
_____purrrrrr
俺のバッグから音が漏れる. 慌ててスマホを取り出すと画面には“バイト先”
西「あ、はい西島です」
バ「あ、隆弘くん?あのさ、昨日からの今日で悪いんだけど出れる?」
昨日から始めたバイトであるカフェ店員. 私もやりたい!とか実彩子なら言ってくれそうな気がしたけど. やっぱりそう上手くは行かないもんだよな. (セカアイ1話参照)
西「____っ今日は、」
……実彩子の誕生日パーティーがあるので、なんて言えなかった.
バ「人が足りないの!お願い!」
西「わかりました……」
バ「ありがとう!じゃあ3時までにきて!で、5時までだから!」
西「はい……」
5時まで…って、流石にパーティー始まってるよな. しかも誕プレ…本当はパーティーが始まる前に渡したかったのに.
日「誰から?」
西「バイト. 今日も出ろだって……」
日「まじかよ……」
ボリボリと頭をかいて難しそうな顔をする日高. 運悪すぎだろなんて、そんなん俺が1番分かってるわけで.
西「実彩子ごめん. バイト入ったから今日5時過ぎに行くわ」
宇「え……あぁ、いいよ」
いつもとそう変わらない口調で微笑んだ実彩子. 千晃から貰った誕生日プレゼントを掲げて“ふふ” なんて口元を緩ませて.
宇「……5時か」
ポツリと呟いて黒板の上に掛けてある時計をチラリと見る. そんな君の横顔はやっぱり綺麗で儚かった.