隆弘の漕ぐ自転車で、隆弘が切る風を伸ばしている手で感じる。
なんでこんなに安心できるんだろう。
細いようでしっかりしてる背中も、クシャッと笑う目尻も、ハンドルを握る長い指もなんか安心できる。
隆「もう大丈夫だろ?」
実「うん…ごめんね」
隆「ほらまたそんなテンション下がってたらつまんないから」
そう言うとクシャッと笑った。
その笑顔は私の心のどこかをチクッとさせた。
あの笑顔でどれだけの女の子が私みたいになってるんだろう、あの笑顔はどれだけの幸せをもたらしてくれるんだろうって。
今まで普通に見てきたはずの隆弘の笑顔が少し変わって見えた。
もし隆弘が誰かの彼氏になったら?
もし隆弘が遠くに行ったら?
今の私には、嫌の一つしか浮かばなかった。
ぼーっとしてる間に自転車は止まっていて、隆弘の呼ぶ声がした。
その日の夜、隆弘にお礼を言おうと、隆弘の部屋に向かった。
軽く戸を叩いてみても返事がない。
寝てるのかなと思いそっと耳をすましてみた。
そこから聞こえてきた音に
実彩子は息をのんだ。
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皆様、お久しぶりです。
もうあれから何ヶ月経ったんでしょうか。
本当にごめんなさい。
楽しみにしてくださっている方がたくさんいることも本当に嬉しく思います。
週一で更新できたらいいなと思っております。
"Still love you"も"A place of love"も他にも作品があるのに申し訳ないです。
一つずつ完結していきますね!!