失われた時を求めて
フランス文学の傑作と言われる長編小説『失われた時を求めて』を、大学の授業で習って以来、ちまちま読んでいます。この小説、名前くらいは聞いたことある読者諸兄姉も多いかと思いますが、ここでも一応ご紹介。_____________________________________________『失われた時を求めて』(うしなわれたときをもとめて,À la recherche du temps perdu)は、マルセル・プルーストによる長編小説。プルーストが半生をかけて執筆した大作で、1913年から1927年までかかって全7篇が刊行された(第5篇以降は作者の死後に刊行)[4][5]。長さはフランス語の原文にして3,000ページ以上[6][7]、日本語訳では400字詰め原稿用紙10,000枚にも及ぶ[7][5][8][注釈 1]。ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』等と共に20世紀を代表する世界的な傑作とされ、後世の作家に多くの影響を与えている[9][10][8]。(wikipediaより引用)____________________________________________________________ドレフュス事件や第一次世界大戦の時期のフランスの小説、というと世界史選択の人々は何となくイメージしやすいかもしれません。ちなみに内容は、主人公が幼いころから大人になり小説を書くに至るまでを書いた小説で、主なテーマは<記憶>や<幻想>、恋愛心理(プルーストは、恋愛の本質は嫉妬だと思っていたそうです)だとされています。さて、この小説の特筆すべき点は、その長さです。「フランス語原文で3000ページ」とありますが、僕が買った最新の日本語訳でも、文庫本でなんと14冊あります。そう、14冊。。。。。実は、この小説を読もうと古本市で14冊セットを大人買いしたのは9月のことでした。ところが読み終わったのはわずか1冊。つまり僕は今この小説だけで13冊の積読を抱えているんです。。。というのも、この小説、正直読みにくい。僕は昔から、延々と内面が語られるような小説がとても苦手です(じゃあフランス文学なんてやるなよ)。例えば夏目漱石の『こころ』なんて作品があります。「先生」が、その昔友人から恋人を奪い、結果としてその友人を死なせてしまった罪悪感に苦しむ、というような話です。問題は、僕にとっては十分すぎるほど回想が長い。そもそも友人の恋人を奪ったこともないから共感もしにくい。悟ったように、名言ぽく出てくる「恋は罪悪ですよ」なんてセリフが、妙に鬱陶しい。田山花袋の『蒲団』くらいまでぶっ飛んでくれればいいわけですが、『こころ』はなんとなくインパクトが薄い気がして、部分部分は面白くても読み続けるのにとても苦労します。『失われた時を求めて』もまさにそうで、なかなか読み続けることができません。ああいう小説を負荷なく読み続けるにはどうしたらいいんでしょうか、、、うーーん。