2013年1月24日02時、寒いだけで何も面白くなかったインチョン出港。
出港まで、積荷をチェックしていたので、キャプテンが朝の当直をとってくれた。
ここぞとばかりに朝酒を飲む。
一等航海士最大の楽しみ。
1月25日午後、プサン到着。
渥美次郎の「プサン港へ帰れ」が、頭の中をぐるぐる回る。
結構清潔な港だが、積荷を固定する人夫の道具がお粗末で、電動工具がしょっちゅうショートしてしまう。
そのたびに、船内にあるブレーカーを戻さねばならず、なかなか貨物の固定がはかどらない。
これは、蛾の検査中。
アジア一帯にいるある種類の蛾は、アメリカやカナダの生態系を壊すので、出港前に検査しなければならない。
冬は、繁殖期でないのでやらなくてよいのだが、なぜか検査が...?
本船のすぐ後ろにタンカーが来た。
道具や食料を積み込む雑用クレーンが曲がっていた。
複雑に積まれた鋼材たち。
これを崩さずに、冬の太平洋を横断できるのだろうか。
1月26日夜、上陸も何も出来ず、ただ慌ただしい思いをしただけのプサンをアメリカに向けて出港。