2012年2月6日、フィリピンのパラワン島にあるナラという村の沖に到着。
ここで2週間ほどかけてニッケル鉱を積む。
ニッケル鉱というくらいだから、銀色でピカピカしているのかと思ったら...
思いっきり「泥」
肝心のニッケルは0.6%ほどしか含まれておらず、半分くらいが鉄鉱石、残りが土だという。
岸壁が整備されていないので、我々の船は沖で停泊したまま。
荷物は小さい船で持ってくる。
ただの泥と言っても水分の含有量が多く、あまりに水分が多いと貨物倉内で液状化して片方に寄ってしまい、転覆沈没の危険がある。
実際2010年から2011年までの間に3隻の船が沈没して、多数の乗組員が行方不明になっている危険な貨物なので、検査員が乗船して積む前に慎重に検査する。
検査方法と言っても、水分量を測るのは時間がかかるので、手で握ってみたり(グリップテスト)、空き缶に入れて甲板に叩き付け、水が表面に出て来るかを観察する(缶テスト)という簡単な方法のみ。
これが、積み荷を拒否したニッケル鉱。
握ると、手の隙間からにょろにょろと出てくる。
こんなのを沢山積んだら、間違えなく液状化して転覆だ。
昼ご飯を食べに上陸。
フィリピンは初めて訪れたが、南国っぽい雰囲気で何とも言えずいい感じ。
まず、床屋で伸びた髪を切った。
散髪代は70円(笑)
ゴーヤチャンプルーのようなもの、ビーフシチューのようなものをつまみに、ビール、ビール!
食後に「ハロハロ」
ココナッツミルクのおいしいかき氷パフェ。
その後買い物をして、ボートで帰船。
ちなみにボートは、出荷ターミナルの所有で、無料でした。
乗組員20名のうち17名がフィリピン人なので、家族がたくさん訪船してくる。
今日は、相互親睦の為にパーティー。
乗組員家族の他に、荷主さん、貨物検査員、代理店員や積み荷作業員等全部で70名近くの人間が、船に泊まり込みで生活する。
そうすると問題になってくるのが「水」
「節水」と大きく黒板に書いておくが、自分は髭をそらずに節水していることをアピール。
これが結構効き目があって、乗組員ほとんどが真似をしてみな髭ぼうぼうになっていったので笑ってしまった。
このヤギは、物々交換でもらったもの。
出港後、締めて食料となる。
これが、積み終わった状態。
船に積んであるUFOキャッチャーの大きなやつ(グラブと言います)で、丁寧に上をたたいて平らにし、荷崩れが起きないようにする。
2月19日中国、嵐山目指して出港。