店に通い初めて2ヶ月ほどたった頃・・・


「お酒強い人好きなんですよ」と彼

「私強いですよ」

「知ってます。だから・・・好きですよ」


こんな会話をした次の日、「今度飲みにいきませんか?」と誘われた。

「是非」とは言ったものの実際誘われることもなくいつもの日々が続いた。


それから数日後のこと・・・

借りていたお金を返さなくてはと店に行くと彼は休み。

他の従業員にそのことを話すと彼に連絡をとってくれた。

彼は酔っているらしくいつもとは違った声で楽しそうに話してくれた。

「お金?いいですよ!」と彼。

「でももう○○さんにお渡ししておきましたので」

「またそうやってすぐ繋がりを切ろうとするぅ!」

「そんなんじゃないですよ」

「僕の番号聞いていいんで、連絡ください。今度飲みにいきましょう」


そういって電話を切った。

従業員に彼の連絡先を聞き、電話番号教えていただきました。という連絡だけし、

その日は帰宅。

明け方・・・突然彼からの着信。

彼は相当酔っているらしく、先ほどの記憶すらあやふや・・・

「え!?え!?・・・○○さん!?!?!」

私に繋がっていることにとても驚いているようだった。


状況を説明し理解してもらう。

すると彼は「今からどこかいきませんか?」と言う。

こんな時間から?と思ったが、彼は何度も誘ってくれた。

「少しだけでもいいんで」

私も彼に会いたかった。「じゃぁ待ってますね」そう言って慌てて仕度をした。


彼が連れて行ってくれたのは、彼のよく行くというバー。

こんな時間でも開いている店があるんだ・・・

そう思いながら席に着く。

酔っている彼はいつもの落ち着いた感じとは全く違い、別人のようだったがそれはそれでかわいらしく思った。


店のマスターに紹介される。

「○○さんは色でいうと白なんです!純粋なんです!いつも店で話してて、もっと仲良くなりたいなぁっておもって・・・誘ったら来てくれたんです!」

・・・・・かわいい。。。

なんだか久しぶりに楽しくて帰りたくなかった。

だから・・・私は彼の家に行ってしまった。

あの日から・・・いや・・・きっと彼が「おかえりなさい」と言ってくれたあの日からずっと・・・

私は彼に惹かれていたのだろう・・・。


彼の家につくとソファーに倒れこんだ彼にキスをされた。

その後の展開はさすがに拒否・・・

酔いつぶれて眠ってしまった彼の隣で私も眠りについた。


夕方・・・起床した彼は私を見て目を丸くした。

「なんで居るの!?」

一体どれほど飲んでいたのか・・・

一生懸命記憶を呼び起こそうとしている。

「あ・・・キスした?」

ニコニコ笑いながら気まずそうに聞く彼に

「してませんよ。大丈夫です」

そういって部屋を出た。


彼はあの日私に帰られて相当気まずい思いをしたと後日言っていたが、その日は用事があって帰宅しただけで、できるならあのまま一緒に居たかった。


その日の彼の出勤時間前、彼からの着信

「ごめんなさい・・・誤らなきゃっておもって・・・」



あるバーに彼はいた・・・


スタイルの良さ、接客の雰囲気、絵に描いた様なバーテンダー・・・


ただ何気なく通いお酒を楽しむ日々。


今の私にとって、かけがえのない落ち着く時間がそこにはあった。


嫌なことがあるとその店に行き愚痴を聞いてもらう、くだらない話で盛り上がる。


そんなある日、いつものようにドアを開けると・・・


「おかえりなさい」


彼はただ何気なく、いらっしゃいませ・こんばんはと同じようにいったのだろう・・・


でも毎日疲れていた私には、妙に安らぐ一言だった。


その日から私は落ち着いた穏やかな物腰で笑顔をくれる彼に会いに行くのが楽しみになった。