世界の便利屋のブログ -17ページ目

K.b.t.t 第二話

夕焼け横丁

2006/04/25
 仕事の内容は単調な肉体労働。そして毎月25日には確実に給料が入る。
 決まりきった仕事をして決まりきったお金をもらう。
 そんな状況下におかれた独身男性の行動パターンは3つしかありません。
 ①酒に溺れる。
 ②飲み屋のおねーちゃんにお金をつぎ込む。
 ③ギャンブルにとち狂う。

 ぼくの場合は①でした。
 幸いにもぼくには会社の資本金を作るという目標があったため、酒以外の誘惑に心を乱されることはありませんでした。
 
 Kさんもお酒が大好きです。
 Kさんの場合はおねーちゃんもギャンブルも大好きなのですが……。
 起業するという目標を持つもの同士ということもあり、Kさんとはよく飲みに行きました。
 給料が入ると安くてうまい七輪焼肉屋でビールをたらふく飲んだものです。
 そのときはナポレオンヒルや斎藤一人さん、それから堀之内九一郎社長などの話で盛り上がった記憶があります。
 つづく。

K.b.t.t 第一話

運命の配属

2005/10/14
 安月給のサラリーマン生活に見切りをつけ、ぼくは東京から愛知へとやってきた。
 くるま屋へ転職。
 べつに自動車に興味があったわけではない。
 興味があるのは金だけだった。
 最低でも300万円、作る必要があった。

 配属されたのはRV車の車体を作る、新ライン立ち上げの現場だった。
 メンバーの自己紹介のスピーチを聞いていると実に様々な動機がある。
 上場企業というと、年功序列で終身雇用という考え方が主流のような気がするが、ぼくを含めて期間従業員すなわちアルバイトの連中の考え方はすこし違うものだった。
 日々の糧を得ればそれでいいと言う者、妻や子供を養うため仕送りをする者、借金の返済のため働く者、留学資金を作る者、もちろん社員採用試験をうけて安定した生活を手に入れたいという者もいる。
 
 「宮城県岩沼市出身、趣味は競馬と資産運用。」
 これがKさんのスピーチだった。
 あとで話をしてわかったのだが、Kさんは投資信託運用会社の資本金を作るため、ここに来たということだ。
 おなじ宮城県出身というと妙な親近感を覚えるものだ。
 ぼくはコンタクトをとろうとKさんの顔をじっと見ていたのだが、向こうもそれに気づきほほえみ返してくるではないか。
 それは、まるで山城新伍のようなほほえみだった。
 つづく。
 

K.b.t.t プロローグ

ある日のニュース

2009/02/13 
 夕飯を食べながらテレビを見ていたら、NHKでトヨタ自動車の特集をやっていた。
 「トヨタショック」というやつだね。
 
 キャスター曰く
 愛知県ではただ単にくるま屋が儲かっていないという問題ではなく、くるま屋のおかげで食わせてもらっていた地方自治体の収入も激減した。自治体は経費節減の徹底や県債の発行をして財源の確保をしようとしている・・・・・・
 
  そんなニュースを見ると、ぼくはKさんのことを思い出す。
 Kさんとぼくが初めて出会ったのは、3年ほど前。
 愛知県田原市、トヨタ自動車㈱田原工場でのことでした。
 つづく。