たね。
ふたば。
はな。
種から双葉になってそして花が咲く。
たねちゃんは ある時 想いました。
『あーあ。
ふたばちゃんはいいな。
あんなにきれいな緑色！
あーあ。
はなちゃんはいいな。
あんなにきれいなピンク色！』
ふたばちゃんは ある時 想いました。
『あーあ。
たねちゃんはいいな。
てんとう虫にからだをかじられなくって！
あーあ。
はなちゃんはいいな。
毎日みつばちさんが喜んでくれて！』
はなちゃんは ある時 想いました。
『あーあ。
たねちゃんはいいな。
いつでも眠っていられて！
あーあ。
ふたばちゃんはいいな。
あさつゆをあんなに受け止められて！』
たねも。
ふたばも。
はなも。
おんなじいのち。
あなたは いまは たね かもしれない。
あなたは いまは ふたばかもしれない。
あなたは いまは はなかもしれない。
でも。
やがて。
たねは ふたばになります。
ふたばは はなになります。
はなは たねになります。
みんな おんなじ。
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