100129■涙線が緩すぎかも | ギミア・珈琲・無礼句

ギミア・珈琲・無礼句

テレビ番組・その他から思いついた着想

 掲載するかどうか、迷って
 書きませんでした。

 昨年、思いついた話だけど、
 60枚の枠だと
 入りきらないかも・・。

■アパートの一室(夜)
 畳の上に、父親(38)、娘(5)が、
 亡くなった妻(33)が眠る布団の前に、
 正座して座っている。

 父親が、妻の手を取って、
 妻の顔を見ている。

 娘が母親の顔を撫でている。
娘「……今、お母さんは?」

父親「……ちょっと、疲れたから
 寝てるんだ……」

娘「……あれれ、
 お母さんどうしちゃったの?」

父親「……お母さんはね、今、
 病気なんだよ……だから、
 明日、違う所に行くんだよ……
 もう、遅いから先に寝ないと、
 明日、幼稚園に送れるぞ!」

娘「うん、分かった。じゃあパパ
 お休み」

 娘は、ふすまを開けてお辞儀をして、
 ふすまを、少しだけ開けて、
 布団にもぐる。

 娘の後ろ姿を見届けて、
 妻の顔を見る。

父親「……本当に、すまなかったな。
 まさか、遊園地に行った帰りに、
 こんな事になるなんて(すする泣き声)

 お前と出会った頃の事は、
 今でも鮮明に覚えている……。

 俺は、安月給だから、
 お前と娘のために、
 一生懸命頑張ってきたけど、
 苦労のかけ通しだったし……

 おかげで……

 あまり、相手をしてやれなかったな……

 ……でも、今日だけは、隣で
 寝させてくれ……。

 娘は、俺が責任もって育てるから、
 先に逝っててくれ……」

 父親は妻の隣に添い寝をする。

■別室
 ふすまの隙間から覗き込んでいた
 娘が布団にもぐり込む。
 娘のすすり泣く声が小さく響く。

■アパートの一室
 妻が父親のそばに立っている。

妻「そう言えば……
 こうやって、二人きりで過ごすのも、
 久しぶりですね……

 ……私は、苦労だなんて、
 一度も思った事はありませんよ。
 あなたには、
 感謝の気持ちしかありません。
 安心して一足先に逝って待ってます。

 でも、
 あまり無理をしすぎないで
 下さいね……」

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 最近、涙線が緩いのか、
 仕事中にこんな想像してたら、
 うるうる来ちゃいました<(`^´)>。