天体望遠鏡で土星を観た。真っ暗で透き通った宇宙空間に、土星ただひとつが浮かんで見える。その冷々とした輝きは、どこか神秘的である。

目を夜空に移すと、望遠鏡の先にある一点の星が土星である。先ほどの神秘的な世界とは対照的に、騒々しい浮世の夜空で瞬く普通の星である。その一点の星を見ながら、望遠鏡で観た土星の姿を思い起こすと、神秘的世界と日常的世界との落差に唖然となりつつも、土星が僕たちと同じ空間にあることを実感せずにはいられないのである。