第85回選抜高校野球大会第11日(高知2-0仙台育英、1日、甲子園)
背番号10から背番号1へ-。高知の継投がまたピタリと決まった。
2年の酒井が直球主体の投球で6回を2安打無失点に抑えれば、
3年の坂本優もピンチをしのぎ、強打の仙台育英を完封。
島田監督は「本当に2人ともよく投げている。
甲子園の舞台で自信をつけている」と目を細めた。
エースナンバーの背番号1は坂本優。ただ、昨年秋以降、
急成長している酒井が今大会では3試合とも先発し、坂本優は
リリーフに回った。3試合で失点は2。「後ろに先輩がいるので、
飛ばしていける」と酒井。この日も直球主体の投球で
明治神宮大会の覇者を抑え、また自信をつけた。
初戦の先発が酒井と聞かされたとき、坂本優には悔しさが渦巻いた。
だが、今はそんな気持ちはみじんもない。「3戦ともゲームセットの
瞬間にマウンドに立てて鳥肌が立った。特に、きょうは一番うれしかった」。
今は勝利に貢献できれば形にはこだわらない.
酒井が速球派なら、坂本優は変化球でかわすタイプ。
2人は中学も同じで、先輩が変化球の握りを教えることもある。
OBからは「球が速い酒井がリリーフ向きでは」との声も寄せられているというが、
「このままいきたい」と指揮官。38年ぶりの優勝に向け、
後輩から先輩への必勝リレーで頂点を目指す。