◇WBC壮行試合
日本3―2オーストラリア(2013年2月23日 京セラD)
さすがベテラン侍!相川「1球思い切って」逆転3ラン
“伏兵”が重苦しい雰囲気を一振りで吹き飛ばした。2点を追う8回1死一、三塁。この回から阿部に代わってマスクを被った相川が逆転3ラン。3ボール1ストライクから甘く入った134キロのストレートを狙いすましたように強振。打球はレフトスタンド中段に飛び込んだ。
ため息ばかりが続いていた京セラドームに大歓声が沸き起こる。打球の行方を確認したヒーローは一瞬、驚いたような表情を見せ、そして少し誇らしげにダイヤモンドを一周した。
「本当はつないでいこうと思って、最初はセーフティとか、右方向へ(のバッティング)とか考えていたけど、いいカウントだったので1球思い切っていこうと決めて振りました」
36歳のベテランらしい、そして捕手らしい“読み”で放った一発。山本監督が「まず勝てたことが大きい」と話したように、WBC3連覇を目指すチームに勢いをつけたことは間違いない。打線の不振は深刻だが、控えに相川のような勝負強い存在がいることは頼もしい限りだ。