日本大相撲トーナメント第37回大会(10日、両国国技館)
決勝は大関鶴竜(27)が豊ノ島(29)を押し倒し、初優勝を果たした。
初場所で自身3度目の全勝優勝した横綱日馬富士(28)は4回戦で栃ノ心に寄り切られて敗退した。大会最多タイ記録となる4度目の優勝を目指した横綱白鵬(27)は3回戦で姿を消した。十両トーナメントは徳勝龍(26)が制した。
「満員御礼」の垂れ幕が下がった決勝の土俵。
両横綱はすでに敗退し、残された大関には責任感がのしかかる。
鶴竜が右上手を引きつけ、土俵際ではその手を放し、豊ノ島を力強く押し倒した。
「横綱が負けてチャンスと思ったけど、(勝ち進むごとに)大関ががんばらなきゃと思った」
9297人の観客からの大きな拍手にホッと一息をついた。
三段目優勝以来のタイトル奪取。
優勝賞金250万円なども手にしたが、「本場所とはまた違う。
(賞金の使い道は)これから考える」と淡々としていた。
井筒部屋には代々続く由緒あるしこ名「逆鉾(さかほこ)」がある。
井筒親方(元関脇逆鉾)は、今後の鶴竜の活躍によって、
このしこ名を途絶えさせることなく継承させたい意向を抱く。
1カ月後には春場所(3月10日初日、大阪・ボディメーカーコロシアム)を控える。昨年の春場所では技能、殊勲賞を獲得して場所後に大関昇進を決めている。大相撲トーナメントを制し、悲願の初優勝へ弾みをつけた。