風土が生んだ「安定志向」/県民性・合同世論調査 | あっくんの自由気侭ブログやねん

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香川の県民性について聞いた時事通信社と四国新聞社の合同世論調査。


「まじめ」「温厚」など、好感度の高いイメージと県民の自覚がほぼ一致する一方、


マイナス的な「へらこい」には否定的な意見が大勢を占めた。


香川の「陽」と「陰」を象徴する伝統的なイメージに関して、県民の受け止めが両極端を示す


興味深い結果となっている。


■そのまま貯金
 「はい」の率が70%を超えたのは、「まじめ」「倹約」「温厚」「優しい」「親切」「のんびり」「おとなしい」の

7項目。穏やかで風水害の少ない気候風土が生んだ、香川県民の伝統的な特徴といえよう。

 「倹約」は、1世帯当たりの預貯金残高(2010年度末現在)が、全国2位の1594万円(全国平均1187万円)というデータが裏付けている。

 四国4県の県民性を表す有名な小話がある。思いがけずお金が手に入ったらどうするか。徳島県民は「そのお金を元手に殖やしてから貯金」、愛媛県民は「買い物」、高知県民は「祝杯を挙げる」、そして香川県民は「そのまま貯金」。温和でまじめな香川男性と、しっかり者の徳島女性との好相性を示すとされる「讃岐男に阿波女」という言葉もよく知られている。

■まれに傑物も
 アンケートでは一方、「自立心が強い」と「好奇心が旺盛」の支持率が30%台にとどまった。県民性に詳しい識者らは、著書で「ほどほどのところで満足し、あまり高望みをしない」「中央で一旗揚げるより、こつこつと貯蓄をして地元でそこそこの生活を送る方を選ぶ」などと分析。今回の結果からも、県民の安定志向がうかがえる。ちなみに、高卒就職者の県内就職率(11年5月1日現在)は全国7位の91%だった。

 総論では、穏やかな気候風土にふさわしい県民性といえよう。ただ、香川は古来から水不足に悩み、時に激しい水争いを繰り返してきた歴史もある。香川大名誉教授の木原溥幸さん(近世日本史)は、こうした背景から、「のんびりした性格の内に激しい気性も秘めており、まれに傑物も輩出した」と解説する。

 「傑物」とは、空海、平賀源内、菊池寛、大平正芳あたりか。「讃岐に大将なし」と言われるが、なかなかどうして。木原名誉教授は「讃岐は昔から教育熱心で、人材供給県でもある。自立心や好奇心旺盛な人物は早い段階で都会に出て行く」とも指摘している。

■自省力の表れ
 では、「へらこい」を否定したアンケート結果はどう受け止めればいいのか。江戸時代の「人国記(じんこくき)」には、讃岐人の傾向として「気質弱く邪智(じゃち)」「諂(へつらい)強く方便を以(もっ)て立身」などとあり、「へらこい」気質を指摘している。

 木原名誉教授は「江戸期には、讃岐三白で羽振りの良くなった一部の大庄屋をねたんだ。時代が下がってからは、香川が豊かで個人貯蓄が多いことがねたまれたのではないか」などと推論。「個人的には、香川県民が特別に『へらこい』という実感はない」とアンケート結果に同調する。

 県出身の久米晶文専修大非常勤講師は、「へらこい」が香川の象徴のように扱われる背景について、「県民は古くから負の価値としてとらえ、常に意識し、『そんなへらこいことではいかん』と子弟を諭し戒めてきた。自省力、誠実さの表れではないか」と前向きに評価。「負の価値を否定したくなる気持ちは分かるが、先人の思いまでも否定してはいけない。自省力や誠実さに裏付けられた『へらこい』を、県民性としてとらえ返していく努力が求められる」と訴える。

 福岡県出身の木原名誉教授は「温厚やのんびりといった特性は素晴らしいと思う。『へらこい』と自嘲せず、良い面をもっと前面に出して受け継いでいってほしい」と話している。




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