関取同士の申し合い。新十両の大喜鵬、新入幕の旭日松に屈して迎えた魁聖との一番。
簡単に押し出されると東関親方(元幕内潮丸)から「稽古にならんから四股でも踏んでおけ」と一刀両断さ
れ、泣きそうな表情で四股を踏み続けた。幕下、三段目を相手にした10番でも5勝5敗だった。
・・・
惨めを通り越して哀れ、哀れを通り越して惨め・・・
まぁ、どちらにしても、ひどくもの悲しいニュースじゃありませんか。
何が悲しいかって、格下の力士に簡単に勝てないくらい衰えた肉体はもちろんだが、それ以上に、「潮丸」
程度のお調子者に、皮肉たっぷりにケチをつけられることほど、屈辱的なことはないだろう、フツーの力士
だったらね。
ところが、高見盛はフツーの力士じゃないから、このタナボタ親方に言われたとおり、泣きそうな顔をして
黙々と四股を踏みつづける・・・。この構図がまた哀れを誘う。マンネリ化した四股を踏むより、今流行の
「美木の呼吸法」でもマスターして気分転換したほうがいいんじゃないか。
そういった類のジョークも真に受けてしまいそうな高見盛。そういう「底抜け」なところが高い人気を誇った
秘密だったんだろうが、もうそろそろ年貢の納めどころだろう。年寄株、持っているのかな。
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