舵取り「・・・流石(さすが)に年の功といふものか少しはお前さまより人が悪(わ)るし、さりとて悪るく成り過ぎては困れど過不及の取かぢは心一つよく考へて応用なされ・・・ (樋口一葉、『経つくゑ』) 過不及とは過不足に同じで、多すぎたり少な過ぎたりするわけだ。程度が過ぎることなく、適度に舵取りをするのは心ひとつ。年の功でこれまた適度に悪さが染みこんだ心のほうがよろしいか。