負ける「一つ負(まけ)たは知っているが、もふ一つ負(まけ)てくりゃれ。」「・・・そう負けちゃあ地切(ぢぎり)がきれるよ。」(黙阿弥、『小袖曾我薊色縫』)値段の交渉は小売ではなかなかしなくなった。しかしなるたけ値切って買いたいもの。ここで「地切(ぢぎり)がきれる」とは元値が切れる、つまり下代を下回ること。売り方も仕入れを下回ってまで売るのはつらいところだ。