「・・・花のけはひに美しき声にてうたふ流行(はやり)うた 川崎音頭といふものを みづから作り出(いだ)せしかば 世に広くひろまりて 都(みやこ)も鄙(ひな)も唄ふほどに これを伝へ聞く人は 見ぬ恋にあくがれて 慕ふものすくなからず さればきのふに今日(けふ)と増(まし)て 客の絶間はなかりける ・・・」
(紀山人、『仇競今様櫛』)
風聞の類が運ばれる。そうして「見ぬ恋にあこがれる」人が増える。しかし・・・見て、知るに及んでは、さて。
しかし憑きものに取り付かれたようになる方もいる。それがはがれ落ちるのに人によって時間は異なるが、いずれ憑きものは落ちる。