半「アヽ身につまされた文句じやァねへか。・・・
(為永春水、『春色梅兒誉美』)
身につまされるとは、人様の苦労、苦しみ、ご不幸がじぶんと比べて同情されることをいう。文句は言葉、言い分のことだから、人の言い分を聞いて、なるほどもっもだ、そうだよな~と思われることを、ここでは言っている。
まことに身につまされる言葉を聞くことが多い。
いや、こんな悲惨な我が身にしたら、自身が言って回っていることが、人様をして身をつまされるようにしているやもしれぬ。同情が得られるはありがたいが、しかし泣き言と突き放す方もまた、おそらくは、数知れず。
人間、関わりの程度、一人一人の事情によって、他人の苦しみ、不幸への感受性もさまざま。