金勘定料理屋で客が店の者に遣る祝儀を鼻紙に包んでいる場面にこうト書きがある。 「ト俄に金入れを出し、鼻紙へ金を包(つつみ)、小粒と二朱銀を医者の薬を盛るやうに配剤して居る・・・」(鶴屋南北、『お染久松色読販』(おそめひさまつうきなのよみうり)) 小粒とは小粒金のことで、一分金のこと。これが四枚あれば一両相当。二朱銀は二枚で金一分に相当するから、掛ける4で8枚あれば一両になるのか・・・ 江戸時代の金勘定は難しい。