一朱とびた銭「よしよし。(ト言ひながら財布の中より、一朱と鐚銭を出して見て、)何だ、お台場が一ツに銭が百四五十しらねえ、こいつアねつからお蔭がねえ。 それでも満更ねえよりや増しだ。 何とそいつを土台に、縁起直しに一杯やらうぢやねえか。」 p.4