1人目:心の魔術師現る
もう二度と戻れないから早く切り替えて、いい男と結婚するぞ!!と、頭では思っていたが、心ではかなりひきづっていた。しかし、その日は友人たちとバーベキューの約束をしていた。「あまり、考えなくて済むな。」とありがたく考えて、机の上の大問題をそのままにし、待ち合わせ場所に急いだ。行きのバスの中ではおチャラけて「やばいんだけど。。。離婚届置いてあった。指輪もあって、ドラマみたいだった。」と言うと「人ごとみたいに言うなよ」と突っ込まれ、みんなで笑った。でも・・・いざ、楽しいバーベキューが始まってもキツい。一人外れて河原にしゃがみこみこれからのことを思って一人ため息を付いていた。もし、このまま結婚生活を続けていたらどうなるんだろう。世の中の夫婦の大半はお金や子供に縛られて、したくもないような生活をして、夫の愚痴ばかりこぼして一生を老けていくんだろう。そんなら、世間体さえ気にしなければ「私は自由だ!!」と大きな声で叫びたかった。と、言うのも結婚した彼は「いい人」だった。昔、草彅剛の「いい人」と言うドラマがあったが、その主人公並みにいい人だった。「会社で上司にこんなこと言われてさ。まじ腹たつんだけど。」など、女子としては、ランキング1位に輝く上司の愚痴も「いない人の悪口を言うのはよくないよ。愚痴っていうのはね、聞いている人の気分もよくないものにするんだよ。だから、愚痴はやめようね。相談だったらいくらでも聞くからー」と言われてしまっていた。めっちゃいい人。と最初は、感動してしまったが、家で愚痴ぐらいいいタァーーーーーーーーい!!!と思っていたのです。「どうした?おまえ、なんかあった?」振り返ると、遊び人で噂のイケメンだった。「うん。」・・・今までの経緯を話した。「そっか。それは辛かったね。いてもつまんないっしょ。帰るか?送ってくよ。」バイクに乗り込んだ。きっとみんなには、またあいつがお持ち帰りした。その餌食が私になったと噂されているんだろう。まぁ、いいや。人なんか関係ない。今は、自分の心を埋めようとしてくれている謎の魔術師に付いて行こう。