先週、ちーの骨髄検査があった。
予定より30分遅れて、ちーは、名前を呼ばれた。
「このまま、骨髄検査に行きますので」
看護師さんが説明した。
えー!血液検査の結果が出てからじゃないのかー!
まこは、驚いた。
そんなのひどいじゃん。
まず、ちーの点滴のルート採りと採血が始まった。
まこは、処置室の外で待っていた。
なんかおかしい。
看護師さんたちが、ばたばたしてる。
処置室のカーテンの下の隙間から、しゃがみ込んでるF先生と看護師さんの足が見えた。
何が起きた?まこは思わず覗き込んだ。
だらりとした、ちーの手が見えた。
!!!
F先生が、「ちーちゃんのお母さん、ちょっと来てください!」
荷物を放り出して、処置室に入る。
ちーは、気を失っていた…。
すぐに意識は戻ったが、顔色は真っ青だった。
「緊張と採血で、まだん反射?が起き、気を失いました。ほんの少しでしたが、完全に意識がなくなりました」
「ショックで気を失った、ということです」
「今日の骨髄検査は、中止しましょう」
F先生が、早口で話す。
まこは、びっくりして、はあ、はあと返事をするだけだった。
ちーの手は、とっても冷たかった。
「しばらく休んでいれば、大丈夫です。でも今日は、気を失いましたから、中止にしましょう」
「私と看護師で支えたので、頭は打ってないと思います」
「本当にすみませんでした」
「ちーちゃんごめんね」
F先生は、その後も何度も謝ってくれた。
そんなわけで、骨髄検査は、中止になった。