好きな人がいて
その人のためなら
何でもしたいと思った

あの人が笑ってくれるなら
汚れ役だろうと何だろうと
何者にでもなろうと思った

先生にとって
いい子であり続けたかった


お前は俺の生徒だ
と言った
必要だとも言った


今、あの人には会えない

連絡もこない

約束も


それは仕事のせいかもしれないけど
じゃあなんであの子には連絡して
あたしにはくれなかったの


先生はあたしのこと嫌いなんだ

大学入学3日目


とりあえず
お名前聞いた子ちらほら


ゼミに3人
同じ学部に3人


くじけそう
友だちの作り方がわからない
けど
少しずつ少しずつ





もしかしたら
来週末に先生とご飯かも(^^)!

私たちにとって
初めてで最後の演奏会
演奏も残すところ
1曲になったところで

あたしは待ったをかけた

「私たちにはまだやり残したことがあります」

他の3年生が顧問の先生に手紙を読み
トリは言い出しっぺのあたし

もちろん手紙を読む相手は愛しの先生


「先生、初めて会った日のことを覚えてますか?」

読み出しはこう

3年間の思いを話す
その間先生の顔は見なかった

「もう、下は向きません。」

そう言って顔を上げて
先生を見つめた

先生が一回うなずいて
あたしは目を見ながら
はっきりと言った

「先生と会えてよかった。
 他の誰でもない先生がいる
 素敵な音楽ができる
 この吹奏楽部に入ってよかった。」

そう言った瞬間
先生の両目から涙が落ちた

あの瞬間を
あの光景を
私は一生忘れないと思った




終わって帰る間際に
袖を引いて
みんなから少し離れたところに
引っ張っていく

「なになに、どしたの(笑)」

「先生、聞き流してね!!」

「はいはいはい」

「っ…………」

「早く、なーに?」

「…先生のことが好きだった」

「…俺も大好きだって(笑)」

「…あほ(笑)
 大学はいったら先生より
 良い人見つけてやる」

「なんじゃそりゃ(笑)」

「あー……
 先生みたいな良い人見つける」

「そうか(笑)
 がんばれよ。」

「…うんっ」


なんだかすっきりした

とりあえず
あたしはずっとこの先も
先生の生徒だから

近々一緒にご飯行きます(^^)
楽しみ楽しみ!!


まぁハッピーエンドだよ
先生が大好きでした
これから
どんな良い人に巡り会っても
あの人は憧れの人で
この上なく愛しい人だから

声を大にして言いたい

先生、ありがとう!!!!!