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朝目覚めるも
時計の針は既に7:00を指していた
まさかの寝坊・・・
列車の出発時刻は5:30のはず・・・
マレー鉄道での国境越えはあえなく断念
しゃあない自己責任や
バスで行こう。
気を取り直して、駅前を散歩していると
「アナタニホンジンカ?ナニシテル?ドコニイク?」
いきなり子供を2人連れた、タイ人と思しき女性から声をかけられる。
「今からバスでマレーシアにいくつもりだ」と答えると
「チケットトレタカ?イマハオキャクサンイッパイデチケットトレナイ。
デモワタシニマカセテ。」
ほんまかいなと思いながらも、
旅行会社数社に電話してもらい
結局お言葉に甘える(騙されてるのか?)
KLまで700B。
(これは通常より高いのでは・・・?
だが相場がわからん)
やはり騙されてるの?
と思いつつも
暑いしこの際どーでもよくなってきた。
もとは寝坊した自分が悪いのだ。
悪そうな人には見えないし
バスの予約をしてもらうと
4人で屋台で朝食を。
彼女の名前はニューさん。
29歳。旅行会社勤務で、英語と片言の日本語も話せる。
日本語と日本料理の勉強中とのこと
だから声をかけてきたたらしい。
彼女が連れていた、男の子の赤ちゃんと6歳の女の子は
彼女のお子さんかと思ったが
実は彼女の家の近所の子供で、働きに出ている両親に代わり、子守をしているだけだった。
その子供たちはミャンマー人で
タイで貧しい生活を強いられている。
6歳の女の子は学校へも行くことができない・・・
かわいそうだから、休みの度に子守をしている
らしい
これは、よくあるボッタクリのパターンか?
と警戒しながらも
朝食後、リーガデーンズプラザというデカいホテルの1Fのマクドで涼みつつ、一緒に子守りをする。
バスの出発時刻12:00までは時間があったので、
午前中、3人と行動を共にした。
彼女が買い物中、二人の遊び相手をしてあげる。
10:00頃、子供たちの母親がそろそろ仕事から帰ってくるとのことで
子供たちを家まで送ってあげる。
家はハジャイ駅の裏手とのことで、
駅構内から、ホームと線路を堂々横断。
ホームは地元の人で賑っていた。
家には、
母親と思しき女性がいた。
確かに、家は掘っ立て小屋で貧しい生活の様子ががうかがえる
そして周囲にも、そんなボロボロの掘っ立て小屋が雑然と立ち並ぶ。
これは、スラムてやつなん?
おっかないところに来てしまった・・・
と警戒レベルを最大まで引き上げるも
子供たちの笑顔はそんな緊張をもかき消してくれる。
結局、身ぐるみを剥がされるわけでもなく子供たちと別れる。
別れ際に、持っていたポケットティシュをプレゼントとして渡してあげると
とても喜んでくれた。
まだ時間もあったので、ニューさんに家でお茶でもと誘われる。
が、独身女性は見知らぬ男性を家には入れられないので、一緒にお隣さんの家にお邪魔しょうとのこと。
確かにそらそうやけど、お隣さん家て勝手にいっていいの~
と思いつつ
スラムを抜けると
彼女の家があった。
暑かったので、遠慮なくお隣さんの家にお邪魔した。
借家らしいが、一般的なのタイ都市部の家の雰囲気で危険な感じはしない
お隣さんは40歳らしいが、非常に若々しいタイ人女性。
仲良しご近所仲間らしい。
20歳の娘さんと暮らしているとのこと。
家の中は、非常に清潔で家電製品も整っている。
先程ののバラックとは比べ物にならない高い生活水準である。
と感心して家を見回していると、奥から風呂上りの娘さんがタオル一丁で徘徊していた・・・
僕に気付くと慌てて2階に駆け上がっていった。
勝手にお邪魔しててゴメンナサイ
お水とアイスをいただき、くつろぎ、雑談。
バスの時間も近づいてきたので、
お隣さん宅を後にした。
ゲストハウスに戻りチェックアウトを済ませると、バスの集合場所へ。
ニューさんはバスの出発まで見送ってくれた。
KLまでは8時間以上の長旅とのことでで、お菓子とジュースもいただいた。
正午、3列シートの豪華なバスはハジャイの街を後にした。
バスは非常に快適で、乗り心地も抜群。
バス代をボラれたのかも
とか、そんな細かいことは気にしないようにしよう。
そんなことより、ミャンマー人の子供たちのことが頭から離れない。
貧しさなど微塵も感じさせない、屈託のない笑顔・・・
学校に行けるようになる日はくるのだろうか
あの環境下でどんな風に成長していくのであろうか
子供には罪はない
何か助けてあげることはできないのか
結局、別れ際に持っていたポケットティシュを子供たちに全てプレゼントし
こうしてエアコンの効いた豪華なバスの中で、子供たちの幸せな未来を祈ること
それしか僕にはできなかった




