タカラヅカ Dream World

タカラヅカ Dream World

星組をメインに観劇しています。
朝夏まなとさん、七海ひろきさんがお気に入りです。

観劇したのは9月、遅くなりましたが感想です。
 
 
日米合作ミュージカル「RENT」JAPAN TOUR 2024
 
脚本・作曲・作詞:ジョナサン・ラーソン
演出:トレイ・エレット
初演版演出:マイケル・グライフ
 
 

物語のあらまし♪
 

今から28年前のこと、1996年に開幕したブロードウェイミュージカル「RENT」
 
プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を下敷きに、80年代のNYにそれぞれが厳しい問題を抱えながらも懸命に生きる、若いアーティストたちを描いた群像劇。
 
1989年12月24日からちょうど一年間のニューヨークのイーストヴィレッジ。
 
ニューヨークの厳しい現実の中、仲間の大切さ、友達の大切さを知りながら成長するニューヨークの若者たちの物語。
荒廃したビルのロフトに住むロジャーは、ソング・ライターを、マークはビデオ・アーティストを目指している。
 


全体的な感想♪

私が「RENT」を知ったのは10年以上前に映画を観て。
それまでのブロードウェイミュージカルでは扱ってこなかった、貧困・格差社会・孤独、そして当時は死に至る病とされていたAIDSを題材にした物語に衝撃を受けました。

日本では1998年に初演、キャストを変え近年では定期的に上演。
海外キャストでも来日公演が行われていますが、なかなか観るタイミングが合わず。

今回の上演は日米合作で、山本耕史さんが全編英語上演に挑戦するということで、「これは観た方がいい」とにゃんこの野生の勘(笑)が働いて、大阪公演初日を観劇となりました。

セリフがあるミュージカルと違い、すべてのセリフに音がついていて、ほぼオペラ形式のミュージカル。

 

「Seasons of love」

 

525,600 minutes
525,600分

525,000 moments so dear
525,600の愛おしい瞬間

How do you measure, measure a year?
どうやって一年を測る?
 
How about love?       Measure in love
愛で測るのはどう?    愛で測ろう

Seasons of love
愛の季節

 

人生を愛で数えようと歌う代表的なナンバー“Seasons of love”をはじめ、どの曲も名曲ばかりで構成された珠玉のミュージカル。

膨大な量の英語を聞き取れないので字幕頼りになるのが残念ですが、行ごとに韻が踏んでありそのリズミカルさが味わえるのは英語ならではで、聞くどの楽曲も美しい
照れ

キャストは皆、歌唱力の素晴らしさはもちろん、等身大の自分であるように「そこに在る」ということを体現しているかのように自然体に見えました。

こんなに優れたミュージカルを観ると、今後の観劇選択基準が上がってしまいますね。
 
 
それでは、キャストの感想です♪

 

 
マーク(山本耕史)

ビデオ・アーティストを目指している青年、今作のストーリーテラー。
 

「RENT」初演時にもマークを演じた山本耕史。
初演の情報はチラッとだけ知っていましたが観劇までには至らず、やっと今回の観劇です。

何事もタイミングってあると思うのですが、私にとっては今回がベストタイミングでした。

歌・ダンス・芝居、何をしても上手い役者さんで器用な方ですが、今回は彼の底力を見た気がしました。
舞台を観ていると、この作品に懸ける彼の思いがダイレクトに伝わってきます。

クオリティの高さ・パフォーマンス力、一瞬たりとも隙のない集中力とみなぎる気迫に満ちていて、エネルギー全開!
本当に素晴らしくすごい!!!
キラキラ

身長の高さに加えて鍛え抜かれた体躯もあいまって、海外キャストの中でも全く見劣りがしない・存在感抜群でした。

 

山本さんの役者人生の転機になった「RENT」への出演は26年前のこと。
もう1度演じたいとずっと願っていたマーク役。

彼の、この作品への思い入れがどんなに強いものなのか。
もしかしたら、マーク役を演じるのはこれが最後になるかもしれない。
「この瞬間を心から楽しもう・味わいつくそう」という気持ちが伝わってきて涙が出る。

 

この美しく迫力ある楽曲の数々を歌いこなす山本耕史。
歌が大変上手なのは知っていましたが、もうね、最高に上手ですよ
ラブ
ソロも掛け合いも迫力満点ですねウインク

ダンスはというと、あまり彼のダンスを見たことがなかったのですが、とても俊敏で上手い!びっくり

みな貧しいけれど、自分の人生を謳歌しようと歌う「ラ・ヴィ・ボエーム」のシーンは。
マークがテーブルに上がってのパフォーマンスですが、あれだけ動いているのに音がしない!!!
びっくり
力強くも滑らかな動きに見惚れてしまいました。

世界トップレベルの実力で、このまま全米ツアーとかあれば参加できるクオリティ
キラキラキラキラ
めったに見られない、ハイレベルの舞台を観たんだと実感。
もっとこういう舞台を観たいと久々に思いましたね


モーリーン(クリスタル ケイ)
マークの元恋人で現在は女性の恋人がいる、アンダーグラウンド・パフォーマー。

歌の上手さはもちろんのこと、ステージ姿の華やかなこと!
ラブ
少女の頃から街を歩くと声をかけられる美少女だった、というエピソードに納得の煌びやかさキラキラ

そして、その上カッコいいんですよラブ
舞台後方からバイクに乗って登場するモーリーン、ヘルメットを取るとキラキラ美女が超絶スタイルで歌い出す。
で、その歌がまた素晴らしいんですよ、マークがいつまでも引きずるわけですね。


どのキャストも素晴らしいのですが。
あと、印象的だったのは。

ナイトクラブダンサーで麻薬中毒者のミミ(チャベリ―・ポンセ)

猫のようにしなやかに踊り歌うソロナンバーは圧巻のパフォーマンスだったし、ソング・ライターのロジャーに恋心を寄せ、打ち明ける時の儚さもすごく美しかったです
ニコニコ

 

共にHIV陽性者のエンジェル(ジョーダン・ドブソン)と、
コリンズ(アーロン・アーネル・ハリントン)のカップル。


思いやり深く優しいエンジェルが発症し、コリンズに見守られながら天に召されるシーンは胸が痛くて。
本当に天使になってしまって… 涙しました。

 

ちなみに、エンジェルが登場すると、客席から口笛と拍手が喝采になるんです、客席ノリノリでしたお願い音譜
 

コリンズは映画よりずっとソフトなキャラクター表現で、包み込むような歌声が圧巻でした。
 

 
今度、こんなに素晴らしい舞台を観られるのはいつだろう、と思いながら劇場を後にしました。


 

 
最後になりましたが、脚本・作曲・作詞のジョナサン・ラーソンに感謝を。


「ありがとう ジョナサン・ラーソン」

あなたが作ってくれた「RENT」に込められたメッセージ。

 
「NO DAY BUT TODAY」
(大切なのは今、今日というこの日なんだ)

 

28年経った今も、
彼の想いのすべてを懸けたメッセージが、鮮烈に輝き続けていることを実感できた私はしあわせ者だと噛みしめた夜でした。
 
 
P.S.
書き足りないことがあって追記しました。